「勝手に解説おじさん」出現? 横浜「海上保安資料館」の“怪奇現象”SNSで疑う声に、海保広報担当者の回答は…

海上保安資料館横浜館に展示されている北朝鮮の工作船。同館HPより(https://www.kaiho.mlit.go.jp/03kanku/kouhou/jcgm_yokohama/)

横浜赤レンガパークのすぐ隣にある、海上保安資料館横浜館。同館を訪れた人のSNS投稿を巡り、怪奇現象が疑われる事態が話題となっている。

19日、とあるXユーザーが同館の写真とともに「説明の人口悪すぎ」「前はこんなんじゃなかった」と投稿。これに対し「自分が行ったときは丁寧な人だった」「海保OBを名乗る人に解説してもらった」という反応があった一方、「同館に展示物の解説をしてくれる人はいないのでは」という “そもそも”な疑問の声もあがり、注目を集めていた。

『そこに存在しないはずの人がいたかもしれない』という不思議な状況を前に、Xでは「勝手に解説おじさん」の存在を指摘する声や、“妖怪”がいたのではと怪奇現象を疑う人も現れた。

海保広報に疑問をぶつけてみると…

海上保安庁(海保)の広報担当者に取材したところ、横浜館では海保の職員が、事務作業の合間などの空き時間で解説を行うことがあり、ツアーなどで依頼を受けた際にも解説することがあるとの回答を得た。

ほかにも、同館では海上保安協会の職員が物販を担当しており、同様に空き時間で解説するケースがあるとのことだった。

また、投稿にあったような「口の悪い解説の人」についてのクレーム・苦情等も海保には寄せられていないという。

では、話題になった投稿の裏では何が起こっていたのだろうか。

解説を行った人物が誰だったのかは不明のままだが、今回取材に対応してくれた海保担当者の対応は実に丁寧で、投稿にあるような態度の悪さは感じられなかった。たまたま対応が悪かったのか、何らかのコミュニケーションのエラーがあったのか…。ひょっとすると、海保がまだ認知していない“妖怪”がいるのかもしれない。

水深90mから引き上げた工作船が見どころ、見学料は無料

海上保安資料館横浜館は無料で見学することができ、2001年に発生した「九州南西海域工作船事件」で海上保安庁の巡視船を攻撃した北朝鮮の工作船や、回収された武器などが展示されている。

この工作船は海保巡視船との銃撃戦の末、自爆用の爆発物によるものと思われる爆発を起こして沈没。事件の捜査のために水深90メートルの海底から引き上げられたもので、前出の担当者も同館の見どころとしてあげている。

他に、海上保安庁の業務などについても紹介されているほか、スマートフォンを利用した多言語音声サービスも提供されており、これを使えば同館を訪れても“妖怪”に惑わされずに済むのではないだろうか。

海上保安資料館横浜館
【所在地】横浜海上防災基地(神奈川県横浜市中区新港1-2-1 赤レンガパーク隣)
【公開時間】午前10時から午後5時まで(閉館30分前に受付終了)
【休館日】毎週月曜日(休日の場合は翌平日)年末年始(12月29日から1月3日まで)※臨時閉館する場合もあり
【見学料】無料

© 弁護士JP株式会社