番組終了なら作ろう ブラタモリ風の動画で赤穂の魅力探訪 市民グループと高校生 そっくりさんも登場

塩田復元施設で赤穂の塩の歴史を学ぶジョン森さん(中央)ら(ユーチューブより)

 NHKの人気番組「ブラタモリ」(3月でレギュラー放送終了)の誘致を目指してきた赤穂市の市民グループが、当初の目標を変更し、自分たちで赤穂の魅力を伝える動画をつくった。その名も「赤穂でブラモリ」。本家のタレント・タモリさんに似た人物を起用し、赤穂高校生とともに塩田や火山噴火跡などを巡る充実した内容に仕上げた。(小谷千穂)

■本物そっくり!?塩テーマに

 同グループは「播州赤穂の塩・ジオ研究会」。市内の各地区でまちづくりに取り組む市民らが集まり、2021年に結成した。「ジオ」は地理、地質を意味する英語から付けた。地形や地質などを手掛かりに赤穂のいい所を多くの人に知ってもらおうと、ブラタモリ誘致を目標とした。

 これまで、地球史研究所所長の乙藤洋一郎・神戸大学名誉教授ら専門家の協力を得て、赤穂が「日本一の塩の産地」となり得た理由を探す調査を実施。江戸時代の日本三大水道の一つ「旧赤穂上水道」や白亜紀の火山噴火でできた陥没地形「赤穂コールドロン」などの謎も解き明かし、冊子にまとめた。

 各地を実際に巡るモデルコースも考えてPRしたが、番組からのオファーはなかった。そんな中、赤穂高校からの提案で、動画作成に取り組むことにした。

 「赤穂でブラモリ」は、番組の最初にお題が書かれた巻物を出演者が受け取り、専門家から説明を受けながら街を巡るという「ブラタモリ風」のシナリオを設定。タモリさん役は大分県在住のアマチュア芸人、ジョン森さんが務める。アシスタントや黒子、ナレーションは、同校総合科学探究類型の生徒5人が担う。

 今回用意したお題は「赤穂がなぜ日本第一の塩の産地になったのか」。1話では、国内最大級の塩田復元施設がある、赤穂海浜公園(同市御崎)内の「塩の国」に潜入。2話では北前船が寄港していた坂越、3話では赤穂コールドロン岩脈がある御崎海岸、4話では福浦塩田公園や赤穂城跡を舞台に番組を展開した。

 動画投稿サイトのユーチューブで、「播州赤穂の塩・ジオ研究会」のチャンネルを立ち上げて公開している。門田守弘会長は「若い人にも見てもらって、赤穂を盛り上げたいという私たちの気持ちを未来につないでほしい」と期待した。

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 同研究会は動画と合わせて、赤穂の地形的なおすすめスポットを示した「播州赤穂しおジオブラ歩きマップ」を発行した。塩田や遺跡、巨岩など18カ所を写真や文章で紹介している。

 A4判4ページ。7千部作製。無料。JR播州赤穂駅前の赤穂観光協会や市立海洋科学館などで配布している。

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