「食べる人は具材のお肉に悩むんだから、全部乗せてしまおうと思った」 豪華な「よねそば」一番人気

一番人気の「よねそば」。さっぱり味のかつおだしのおつゆに軟骨ソーキ、三枚肉、本ソーキがのる

[胃心地いいね](770) よね食堂 豊見城市座安337

 よね食堂は1957年、「与根入口食堂」として産声を上げた。初代店主は豊見城村(当時)与根の赤嶺トミさん。夫光造さんの営むブロック会社の社員食堂で沖縄そばを出したところ「人に出せる味だ」と好評を博し、店を出すことになった。

 住所は座安だが、自治会は「与根6班」に当たり、トミさんも同区出身だったため店名に「与根」が入った。食堂の少なかった当時、ランチタイムに琉球政府職員が車で来店したことも。店名が長いと2000年、「よね食堂」に改めた。

 創業67年の老舗の一番人気は「よねそば」(880円=いずれも4月以降の価格で税込み)で、軟骨ソーキに本ソーキ、三枚肉が乗る豪華さ。「食べる人は具材のお肉に悩むんだから、全部乗せてしまおうと思った」。トミさんの孫で3代目店主の赤嶺博智さん(44)はそう話す。男女に関係なく注文が多い一品だ。

 二番人気の「ソーキ(軟骨)そば」(880円)は口の中でほろほろと溶ける肉の柔らかさが売り。三番人気の「そばセット」(1050円)はチキンカツが付き、白米かジューシーを選べるなど、しっかり腹を満たしたい人向け。

 豚の背骨や鶏がらなどで作っただしはさっぱり味で、県民が好きなかつお節を大量に加えることで黒い見た目になる。午前3時からスープ作りを始める。継ぎ足すことで味にこくが出るという。

 店が長く続く理由に「店を残したいという思いもあるし、おいしいものを出したいと努力してきた」と博智さん。妻の弥生さん(45)は「愛される店として続けていけたら」と願った。(南部報道部・又吉健次)

 【お店データ】午前10時~午後5時。木曜定休。55席。駐車場約20台。電話098(850)4029

1957年創業の老舗「よね食堂」。(右から)3代目店主の赤嶺博智さん、2代目店主の孝廣さん・美代さん夫婦=25日、豊見城市座安
よね食堂

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