県職員に注射針、豚熱作業事故で330万円賠償 栃木県が支払いへ

栃木県庁

 県議会は28日の臨時会議で、2021年4月に那須塩原市の養豚場で発生した豚熱(CSF)の防疫作業中の事故で負傷した県職員に、県が約330万円を支払う損害賠償額の決定と和解に関する議案を可決した。

 県農政部によると、作業の安全確保ができなかったことから、県に事故発生の責任があると判断した。職員は治療が終わり、示談に応じる意思があるため、国家賠償法に基づき県が損害賠償金を支払うことで県と職員の双方が合意したという。

 事故は21年4月18日夜に発生した。獣医師が注射を終えた後に豚が暴れ出し、豚を押さえていた県職員男性の左太ももに針が刺さった。職員は数カ月入院する重傷を負ったが、現在は職務に復帰しているという。獣医師は業務上過失傷害の疑いで書類送検され、22年12月に宇都宮地検が不起訴処分とした。

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