英会話をもっと上達させたいと思う人も多いのではないでしょうか。ChatGPTなら、現実世界で起こり得るさまざまなシチュエーションを設定し、その場にふさわしい英会話を学ぶことができます。会話に出てくる英語はすべて実際の場面で活用することを想定しているため、効率的な学習がおこなえます。AI活用コミュニティ代表谷口恵子氏の著書『AI英語革命 -ChatGPTで英語学習を10倍効率化-』(リチェンジ)より、ChatGPTへの質問や、英会話の場面設定の仕方の例を見ていきましょう。
表現の意味や他の使い方を教えてもらう
ChatGPTに会話文を作ってもらったら、それをただ読むだけでなく、わからない表現をChatGPTに聞いて、その意味や他の使い方を確認するようにしましょう。そうすると、どんどん新しい表現をインプットすることができます。たとえば、「Let's reconvene」という表現がわからないときは、次のように聞いてみます。
【ユーザーの質問】
Let's reconveneとはどのような意味ですか? どのような場面で使うことができますか?
【以下、ChatGPTの回答】
「Let's reconvene」とは、再び集まることを意味します。これは、以前の会議や議論の続きを行うために、再度参加者が集まることを提案する表現です。
このフレーズは、休憩や他の活動の後に再度集まる必要がある場合や、一時的に解散したグループが再び集まる必要がある場合に使用されます。具体的な目的やスケジュールは文脈によって異なりますが、基本的には参加者が再度集まることを促す意味を持ちます。
たとえば、長時間の会議で一旦休憩を取りたい場合や、全ての議題を1回の会議で処理しきれない場合などに、「Let's reconvene at 2 pm after lunch」(ランチ後の2時に再開しましょう)や、「Let's reconvene tomorrow to continue our discussion」(明日、議論を続けるために再集合しましょう)のように使うことができます。
たとえば、ビジネス会話を作ってもらうと、「upcoming quarter(次の4半期)」「put forth(努力する)」「please walk us through(詳しく説明してください)」など、ビジネスらしい表現や、面白い表現が色々出てきます。わからない表現をChatGPTに聞きながらこの会話文を読み込むだけでも、かなりインプットを増やすことができます。
【プロンプトの型】
Let's reconvene(1)とはどのような意味ですか? どのような場面で使うことができますか? (2)
(1)ChatGPTが作ってくれた会話文の中でわからなかった表現を記載しましょう。
(2)どのような場面で使うことができるかを聞くと、実用的なインプットになり、自分でも使えるようになっていきます。
ロールプレイをする
ChatGPTに、ある役柄になりきってもらって、ロールプレイをするのも非常におすすめです。たとえば、「外国人に道を聞かれたら」「海外旅行先のレストランで注文する」など、起こり得る場面を想定して、そのシチュエーションでの英会話をChatGPTと一緒にやってみる、ということです。
このロールプレイをすることで、「相手からどんなことを聞かれるのか」「こんなときに言えるようにしておきたい表現は何か」などを知ることができるので、とても実践的な練習ができます。また、仕事で英語を使う方は、海外にある本社の上司とのミーティングのロールプレイをするなど、自身のビジネスシーンに合わせた練習をすると非常に効果的です。
もちろん、旅行に使える英語フレーズ集など、状況別に使えるフレーズを掲載した本も売っていますが、ChatGPTなら実際に英会話の練習ができますし、そのやりとりがテキストで残るので、後で見返して何度も練習することができます。また、同じ設定でも、こちらの返事を変えて複数のパターンで練習することができるのもChatGPTならではです。
自分が練習したい場面を設定して、必要な単語や表現を効率よく大量にインプットしていきましょう。
ロールプレイをする際のプロンプトとしては、役割の設定や、状況・背景の説明を具体的に追加します。
【ユーザーの依頼】
あなたと私はホテルのチェックインのロールプレイを英語で行います。以下の条件を守って発言してください。
条件:
・あなたの名前はJohnです。
・私の名前はKeikoです。
・あなたはシンガポールのアジアパシフィックホテルのフロントです。私は宿泊客です。
・あなたはJohnとしての発言だけをしてください。
・1回の発言は50ワード以内にしてください。
ChatGPT: Hello, welcome to the Asia Pacific Hotel! How may I assist you today?
ユーザー: Check-in, please. I'm Keiko Taniguchi.
ChatGPT: Of course, Ms.Taniguchi. Could I please have your booking reference number? Also, may I know your intended length of stay?
ユーザー:I'm afraid I can't find the booking reference number. I'll be staying here for three nights.
ChatGPT: No problem, Ms. Taniguchi. Let me search using your name instead. Please bear with me for a moment.
【日本語訳】
ChatGPT:こんにちは、アジアパシフィックホテルへようこそ! 今日は何のお手伝いをしましょうか?
ユーザー:チェックインをお願いします。私の名前は谷口恵子です。
ChatGPT:もちろんです、谷口様。ご予約番号を教えていただけますか? また、滞在予定の日数を教えていただけますか?
ユーザー:申し訳ありませんが、予約番号が見つけられません。ここには3泊の予定です。
ChatGPT:問題ございません、谷口様。お名前で検索させていただきます。少々お待ちください。
このように、ChatGPTはすっかりホテルのフロントのJohnになりきってロールプレイをしてくれます。特定の状況で英語を使うことがありそうな人は、ぜひこのロールプレイでの会話練習をしておきましょう。
【プロンプトの型】
あなたと私はホテルのチェックインのロールプレイ(1)を英語で行います。以下の条件を守って発言してください。
条件:
・あなたの名前はJohnです。
・私の名前はKeikoです。
・あなたはシンガポールのアジアパシフィックホテルのフロントです。私は宿泊客です。(2)
・あなたはJohnとしての発言だけをしてください。
・1回の発言は50ワード以内にしてください。
(1)どんなロールプレイをしたいのか最初に設定や状況を伝えましょう。
(2)役割設定を細かく伝えましょう。役割設定や背景、状況を細かく指定すればするほど、それを踏まえたリアルなロールプレイになります。
シチュエーション別!おすすめのロールプレイ
●旅行
・ホテルにチェックインする
・カフェで注文をする
・レストランで食事をする
・美術館でチケットを買う
・アクティビティの予約をする
・お土産を買う
・電車に乗る
・バスに乗る
・タクシーに乗る
・道に迷ったときにたずねる
・失くした財布を報告する
・部屋でのトラブル対応
・空港でのトラブル対応
●留学・駐在中の現地での会話
・ローカルの図書館を利用する
・ローカルのイベントに参加する
・パーティーで自己紹介をする
・友人とドラマの感想を話す
・友人と休日の予定を立てる
・アパートの賃貸契約をする
・スマートフォンを購入する
・インターネットを契約する
・銀行口座を開設する
・医療機関を受診する
・レンタカーを借りる
●ビジネス
・自己紹介
・プレゼンテーション
・営業のデモンストレーション
・会議の進行
・交渉
・顧客からの苦情に対応
・他部署に催促のお願い
・上司や部下とのミーティング
・新入社員のトレーニング
・採用面接
・会食
●日本での会話(知らない人)
・道、行き方を聞かれる
・電車の路線を聞かれる
・切符の買い方を聞かれる
●日本での会話(案内する)
・自己紹介をする
・おすすめのお店を伝える
・日本食の食べ方を紹介する
・日本の文化について紹介する
・日本の歴史について紹介する
・日本の有名人について紹介する
・日本の慣習について紹介する
谷口 恵子
AI活用コミュニティ代表