『陰陽師0』奈緒、染谷将太、板垣李光人の場面写真公開 原作者&監督は全国ゆかりの地を巡る

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山﨑賢人が主演を務める映画『陰陽師0』の新たな場面写真が公開された。

平安時代に実在した“最強の呪術師”安倍晴明が、陰陽師になる前の学生時代を描いた本作。原作・夢枕獏の全面協力のもと、『K-20 怪人二十面相・伝』『アンフェア』シリーズの佐藤嗣麻子が監督を務めた。呪術監修は、『呪術廻戦』に登場する数々のキャラクターや呪術を、実在した呪術の歴史から独自考察した『呪術の日本史』の監修で知られる加門七海が担当している。

公開された場面写真には、花びらが鮮やかに散らばる部屋で雅に琴の調べを奏でる徽子女王(奈緒)と、意識を失った徽子女王を抱き寄せる源博雅(染谷将太)、博雅と帝(板垣李光人)の姿が映し出されている。

また本作の公開を記念し、佐藤監督と夢枕が全国ゆかりの地を巡るキャンペーンを実施。まずは岩手・奥州市のロケ誘致30周年と、本作でもロケ地ともなった歴史公園えさし藤原の郷開園30周年を記念し、特別試写会が3月14日(木) に江刺体育文化会館ささらホールで開催された。

原作にはない晴明と博雅の出会いを描いたことについて、奥州市出身の佐藤監督は「獏さんの小説の晴明たちは40代ぐらいの設定なのですが、今回は晴明が27歳で、博雅が30歳ぐらいの年齢になっています。なぜそこにしたかというと、自分が出会いを見てみたいっていうのももちろんありましたし、40代の晴明の話は、いろんな分野で、獏さんが種をまいて、全て刈り取られてるなと思ってるぐらいの感じだったので、少し目線を新しくして、若いふたりにしたいなという想いがありました」と製作秘話を語った。

そんな若き日の晴明と博雅を描いた本作を観た夢枕は、「皆さんね、大変なんですよ。何が大変かっていうと、僕は原作です。監督の横で見たので、感想も言わなきゃいけない。いい映画だといいなと思って見たんですが、いい映画だったんですよ。ご覧になったみなさんなら僕が嘘ついてないってわかると思うんですけど、面白かったんですよ。ちゃんと青春映画としてよくできていたし、魔法とか呪術っていうと、これでもかっていうくらい色々なことやってしまいがちですけど、ちゃんとルールがあって、そこから超えないようにしながら、しかも派手な画をしっかり作ってるんです」と観客に向け、本作のクオリティの高さを力説。客席からもそれに応えるように頷きと拍手が起こった。

続けて、本作のロケ地となった静岡・裾野市でも、トークショーならびに先行上映会を3月19日(火) に裾野市市民文化センターで開催。裾野市での撮影中のエピソードとして、佐藤監督は「天候に恵まれ、夏のような陽射しの強い暑さの中、順調に馬を使った撮影後、差し入れのいちごおりといちごのスムージーがとてもおいしかった」と撮影中のエピソードを明かした。

夢枕は、晴明が博雅に放つ「俺を信じろ」という山﨑のセリフが印象に残ったと述べ、原作で描いている以上にふたりの関係性、世界観をうまく表現した山﨑の演技力、セリフの力が素晴らしいと称賛。終始リラックスしたムードの中でふたりから見た『陰陽師0』がたっぷりと語られた。

そして、斎王(天皇に代わって伊勢神宮の天照大神に仕えるために選ばれた、未婚の皇族女性のこと)である徽子女王が過ごした斎宮が存在していた三重・明和町では、特別試写会が3月25日(月) に109シネマズ明和で実施された。

奥州のイベントで本作に太鼓判を押した夢枕だが、明和では試写の際、涙も流していたことが佐藤監督から明かされると「2カ所あるんですけれども、ひとつは晴明がちょっとやんちゃで、生意気で、見た方は分かると思いますが、ああいうやつなんですが、博雅が庇うんですよ。それから博雅が自分の脳内に閉じ込められてしまって、もうどうしようもなくなった時に、晴明が“俺を信じろ”って言うところですね。なんて言えばいいんでしょう。“アイラブユー”と同じ意味ですよ。俺たちの間はもうそこまでの仲だろうっていう意味ですよね」と晴明と博雅によるバディの絆に涙したことを語った。

また様々な斎王がいる中でなぜ徽子女王をヒロインとして登場させたのかを問われると、佐藤監督は「歴史上(徽子女王は)、村上天皇(帝)の最終的に奥さんになる方で、村上天皇は奥さんが10人ぐらいいらっしゃるんですけれども、その中のひとりということ。そして博雅といとこ同士に当たるので、村上天皇は博雅の年下のおじさんになるんです。あの頃はやっぱり内輪での結婚が一般的だったとされているので、ここで三角関係が作れるなっていう風に思ったのが最初です」と、理由とともに本作で描かれている儚い人間模様にも言及した。

今回様々な博物館やスポットを巡ったふたりは徽子女王を感じた場所について聞かれると、佐藤監督は「もう全て素晴らしくって、調べたことがリアルに全部あって、あと案内してくれた方が質問すると全部答えてくれるっていう素晴らしい環境でした。その中でも竹神社は徽子女王が実際にいらっしゃったとされる場所なので、しんとした感じが徽子女王を感じたところです」とコメント。

夢枕も竹神社の森を挙げた上で、「昔ながらの感じが残っていて、空気感はちょっと一味違ったかなという気はしますよね。いろんなところに取材に行くんですけれども、やっぱり現場に行ってその現場の空気を吸うっていうことが、一番書く時にインスパイアされますね」と執筆における取材で大事にしていることを明かした。

<作品情報>
映画『陰陽師0』

4月19日(金) 公開

公式サイト:
https://wwws.warnerbros.co.jp/onmyoji0/

(C)2024映画「陰陽師0」製作委員会

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