コンパクトで使いやすいニコンZマウントの大口径標準ズームレンズ「タムロン 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2」

By 小田切裕介

タムロンは、ニコンZマウント対応の大口径標準ズームレンズ「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2」(Model A063) を2024年4月18日に発売する。希望小売価格は143,000円 (税込)。

2018年に発売された小型軽量の大口径標準ズームレンズ「28-75mm F/2.8 Di III RXD」(Model A036) の光学系をゼロから見直し、再設計されたのがこの「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2」。ソニーEマウント用は2021年に発売済みだが、今回、ニコンとのライセンス契約に基づいて新たにZマウント用が開発され、製造・発売される。

■高級硝材を活用した高い光学性能

レンズ構成は15群17枚。特殊硝材であるLD (Low Dispersion : 異常低分散) レンズと非球面レンズを2枚ずつ使うことで、諸収差の発生を極限まで抑制。絞り開放から全ズーム域で高い解像性能を発揮する。ゴーストやフレアを抑制するBBAR-G2コーティングを採用しており、クリアな描写が得られる。

■小型軽量で長時間の使用も快適

全長は119.8mm、フィルター径は67mmと、大口径F2.8の標準ズームレンズとしてはコンパクト。質量は550gと軽く、携帯性に優れ、長時間の撮影でも負担にならない。

■リニアモーターによる高速AF

AFの駆動系にはリニアモーターフォーカス機構「VXD」を採用。高速・高精度に動作し、高い応答性能を持つ。フォーカス追従性も高く、さまざまな被写体に素早く対応。静粛性も高く、動画撮影にも適している。

■高い近接撮影能力を実現

最短撮影距離は、ズームの広角端で0.18m。このときのワーキングディスタンス (レンズ先端から被写体までの距離) は、わずか約4.4cm。最大撮影倍率は1:2.7 (0.37倍) に達する。被写体に思い切り近づくことができ、広角特有の遠近感を強調した表現を楽しめる。

ズーム望遠端の最短撮影距離は0.38mで、最大撮影倍率は1:4.1 (0.24倍)。望遠側でもクローズアップ撮影が可能となっている。

■細かい機能設定が可能な「TAMRON Lens Utility」対応

専用のソフトウェア「TAMRON Lens Utility」に対応し、カメラを介さずに最新ファームウェアへのアップデートが可能。さらに、フォーカシング操作に関するカスタム設定を行うことができる。

このカスタム設定には、あらかじめピントを合わせたい2点と移動時間を設定し、フォーカスセットボタンをクリックするだけでフォーカスが移動する「A-Bフォーカス」と、MF時のフォーカスの動きを「リニア」か「ノンリニア」のいずれかに設定する機能がある。

■防滴用シーリングを施した簡易防滴構造

レンズ鏡筒の可動部や接合部など、主要な箇所に防滴用のシーリングを施した簡易防滴構造を採用。不用意に水滴がレンズ内部に侵入するリスクを抑える。

TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 ニコンZマウント 主な仕様

モデル名 Model A063
マウント ニコンZマウント
焦点距離 28〜75mm
開放絞り F2.8
最小絞り F22
画角 (対角) 75°23′〜32°11′ (FXフォーマット時)
レンズ構成 15群17枚
絞り羽根枚数 9枚 (円形絞り)
最短撮影距離 0.18m (W) / 0.38m (T)
最大撮影倍率 1:2.7 (W) / 1:4.1 (T)
フィルター径 φ67mm
最大径×長さ φ75.8×119.8mm
質量 550g
付属品 花型フード、フロントキャップ、リアキャップ

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