ヒョンデ勢が先行も虎視眈々のトヨタ。ロバンペラも「僕たちはいいバランスにある」と自信/WRC第3戦ケニア

 3月28日(木)、2024年FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦サファリ・ラリー・ケニアが開幕。TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)からは、3台のトヨタGRヤリス・ラリー1が出走し、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が3番手、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が4番手、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が6番手でデイワンを終えた。

 WRCのカレンダーに復帰して今年で4年目を迎えるサファリ・ラリーは、開催時期がこれまでの6月から3月に移り、雨季が始まるタイミングでの開催となった。ラリーの中心となるサービスパークは、今年もナイバシャ湖近くに置かれ、4日間で19本のステージ、合計367.76kmを走行する。

 迎えた大会初日は、ケニアの首都ナイロビの郊外に位置するカサラニにて、グラベル(未舗装路)の特設ステージを2台が同時にアタックするスーパーSSが行なわれた。数日前に降った雨により、濡れた路面や大きな水溜まりも残っていたが、コンディションは全体的にドライとなった。

2024年WRC第3戦サファリ・ラリー・ケニア カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)

 2022年同ラリーの勝者であるロバンペラは総合3番手、勝田はロバンペラと0.1秒差の総合4番手、エバンスは総合6番手で順調に競技初日を走り切っている。

 チーム内最上位につけたロバンペラは、「最初のスーパーSSはトリッキーだった。サイズが小さなクルマが走った後だったこともあって、自分たちがフォローできるようなラインがなく滑りやすいコンディションだった」と最初のステージを振り返る。

「このラリーでは、速さと安全の妥協点を見つけることがつねに求められるが、自分たちはいいバランスにあると思う。今回もいい結果を残せるよう、チームのためにベストを尽くしたい」

2024年WRC第3戦サファリ・ラリー・ケニア チームとミーティングを行うカッレ・ロバンペラと勝田貴元

 大会最初のステージから、一筋縄ではいかないグラベルでのアタックとなったが、勝田とエバンスは残る18本のステージについて、さらに警戒するコメントを残した。

 勝田は「きっと厳しいラリーになると思うので、快適に走れるようなペースを見つけながらも、トラブルを避けなくてはなりません」と、今大会の荒れ模様を予測。

 エバンスも「コンディションが以前よりも少し変化していて、とくにいくつかのステージではかなり荒れていた。また、雨が降るとグリップは急激に低下するので、天候も状況を大きく左右すると思う」と声を揃える。

 明日は、ついに迎えるサファリ・ラリー・ケニアの“フルデイ”1日目だ。1ステージ目はヒョンデ勢の先行を許したTGR-WRTだが、これまでの成績を見てもチームにとって得意なラリーであることは間違いない。巻き返しを図るトヨタ勢は、慎重な構えながらも虎視眈々と挽回を狙っている。

 競技2日目となる3月29日(金)のデイ2は、ナイバシャ湖の周辺で『ロルディア』、『ジオサーマル』、『ケドング』という3本のステージを、日中のサービスを挟んで各2回走行する。6本のステージの合計距離は127.58km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は359.66kmだ。

2024年WRC第3戦サファリ・ラリー・ケニア 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)
2024年WRC第3戦サファリ・ラリー・ケニア エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)
2024年WRC第3戦サファリ・ラリー・ケニア エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)
2024年WRC第3戦サファリ・ラリー・ケニア トヨタGRヤリス・ラリー1に装着されたシュノーケル。ほかにも前後のサスペンションを刷新しているという
2024年WRC第3戦サファリ・ラリー・ケニア 雨季開催となるが、雨は驚異となるだろうか

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