青森山田高、初の4強ならず センバツ準々決勝、中央学院(千葉)に2-5 毎回出塁もあと一本出ず

中央学院(千葉)に敗れ、初の4強入りを逃し、肩を落として球場を後にする青森山田ナイン=28日、甲子園球場
【中央学院-青森山田】2回裏、青森山田2死二塁、佐藤隆が二ゴロに打ち取られる
4打数無安打と振るわなかった青森山田の4番原田
8回裏、青森山田2死二、三塁の好機に佐藤洸が右飛に倒れる

 第96回選抜高校野球大会(センバツ)は第9日の28日、兵庫県西宮市の甲子園球場で準々決勝4試合を行い、青森県の青森山田は中央学院(千葉)に2-5で敗れ、春夏通じて初の4強入りはならなかった。

 青森山田は初回、2死一、三塁の好機に5番吉川勇大(青森市出身)の左前適時打で1点を先制。流れをつかんだかに思われたが二回、2死から守備の乱れや連打で3点を奪われ逆転を許した。四回にも四球や安打などでためた走者を長打でかえされ2失点し、突き放された。

 二~八回は毎回走者を出すものの、あと一本が出ず。九回、先頭の3番對馬陸翔(りくと)=同=が左前打で出塁し、吉川が左中間へ適時二塁打を放ち意地を見せたが、後続が倒れた。

 2戦連続で先発マウンドを任された先発櫻田朔(さく)=五所川原市出身=は3回1/3を5失点(自責点2)。リリーフした主戦関浩一郎(青森市出身)は5回2/3を無失点と好投したが、及ばなかった。

▼拙攻 11安打も2得点

 ホームが遠かった。2試合連続サヨナラ勝ちの勢いそのままに準々決勝へ臨んだ青森山田だったが、攻撃がかみ合わなかった。中央学院を2本上回る11安打を放ち、何度も好機をつくりながらあと一本が出ず2得点にとどまった。残塁は相手の倍の14を数え、兜森監督は「ちぐはぐした試合になってしまった」と悔やんだ。

 初回の先制点で波に乗ったかと思われたが、二回以降は今大会初登板の相手主戦・蔵並に苦戦。ストレートとフォークの組み立てで要所を締められた。

 象徴的だったのは二回。2死からミスにつけ込まれ、3連打で3点を失った直後の攻撃。青森山田は先頭の主将橋場(むつ市出身)が二塁打で出塁したが、後続の犠打が決まらない。追い込まれてヒッティングに切り替えるも凡退。リズムをつかめず、淡泊な攻撃で好機を逸した。そつのない相手とは対照的なシーンだった。

 三回以降も再三得点機を迎えたがつながりを欠き、ずるずると相手ペースに引きずり込まれた。橋場は「ミスショットが多かった。自分たちの実力より相手投手の実力が上だった」、無安打の主砲原田(平川市出身)も「低めの変化球を振らされてしまった」と下を向いた。

 日本一を目指して挑んだ甲子園。試合後の控室には、涙を流す選手の姿があった。「青森で応援してくださっている方々に、勝って恩返しをしなければいけない立場にいる。絶対に夏、甲子園に戻ってきて上位に勝ち上がりたい」と橋場。2回戦の広陵(広島)戦では、記憶に残る激闘を演じたナイン。さらなる成長に向け、新たな一歩を踏み出した。

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