水原氏の過去「寿司店で勤務」「酒の輸入企業で…」 米紙が徹底取材「学生時代は3番手キーパー」

大谷翔平(左)と水原一平氏【写真:ロイター】

ドジャースから解雇、ロサンゼルス・タイムズが周辺取材

米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手の専属通訳を長年勤め、違法賭博に関与した疑いで解雇された水原一平氏について、米地元紙は水原氏の周辺に関する取材から「ミステリアスな人生」と題した記事を掲載。知人などが語った「彼は勤勉な人」「誰もこれは予期していなかった」との人物像を伝えている。

周辺取材を行ったのは米カリフォルニア州地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」。カージナルスとの本土開幕戦までに「ショウヘイ・オオタニの通訳のミステリアスな人生、と疑わしい主張」と題した記事を掲載した。「ここ1週間で、世界はオオタニの元右腕のことを本当にわずかしか知らなかったことを学んだ」と記し、問題発覚後に多くの“謎”が生まれてきたことに触れた。

同紙の調査では、水原氏の経歴の重要な部分で「裏付けが難しかったり、明白な間違いであることが分かった」としている。高校卒業後の約10年間について「彼の居場所はいまだに大部分が謎だ」とも伝え、「彼はオオタニを数か月、もしかすると数年にわたって欺いていたという告発に加え、どうやら通っていた大学について嘘をつき、MLBでの前職の性質についても誇張していたようだ」としている。

同紙は10代の頃に水原氏が住んでいた地域で、子どもの頃の友人や知人に取材。しらみつぶしに調べたという。浮かび上がった人物像は「日本語と英語が流ちょうといった自分の強みを生かせるキャリアを何年も探し求め、そして少しの精査とともに、ちょうどいい時に、ちょうどいい男と一緒になってその役割にたどり着いた男である」とした。

韓国での開幕戦シリーズの真っただ中に球団から解雇された水原氏。その後の居場所は不明だが、同紙は「匿名のドジャース職員はタイムズに対し、ソウルでの木曜日の試合の後、ミズハラはロサンゼルスに戻るチームの飛行機にはおらず、自身で帰宅したと見られていると認めた」と記載。そのうえで「しかし、ミズハラの正確なホームがどこかは不透明だ。彼は報道陣に対し、オフの期間は東京に住んでいると話していた。彼はカリフォルニア州の選挙権には登録されておらず、公的な記録で彼と紐づいているのは、ダイヤモンドバーにある彼の両親の自宅だけで、とある長年の隣人は彼のことを見たことがないという」とも続けている。

同紙は水原氏の中学、高校時代についても調査。「サッ カーの学校代表チームのコーチ」を務めていたというケンプ・ウェルズ氏の証言では「ミズハラは3番手キーパーだった」とされている。努力家だったそうで「私たちはこの子をカットしたくなかった。彼は懸命に努力していた」などと語っている。

高校卒業後については「友人や知人いわく、ミズハラは寿司料理店で働いたり、酒を輸入・流通させる日本企業で働いたりと複数のキャリアに挑戦しようとしていた」としている。同紙は水原氏と10年以上前に日本で出会い、ファイターズ時代にも食事をともにしたという匿名の友人が「ニュースを見たとき、私たちはショックを受けました」と語ったことも紹介。「彼いわく、ミズハラはナイスガイで、口数が少ない男だったという」との情報に加え、知人などによる「彼は勤勉な人でした」「誰もこれは予期していませんでした」といったコメントも伝えた。

THE ANSWER編集部

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