60歳、資産1.4億円。新NISAの成長投資枠を使いたいのですが、どんな商品を選ぶといいですか?

みなさんから寄せられた投資や経済ニュースに関するさまざまな疑問に、ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんが答えてくださいました。今回は、新NISAの成長投資枠でどんな商品を買うとよいかについてです。

みなさんから寄せられた投資や経済ニュースに関するさまざまな疑問に、ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんが答えてくださいました。 今回は、新NISAの成長投資枠でどのような商品を買うべきか悩んでいる60代の方からの質問です。

Q. 現在60代です。新NISAの成長投資枠をどう使うか悩んでいます

「新NISAのつみたて投資枠は設定して始めているのですが、せっかくなので成長投資枠の部分も使いたいと思っています。ですが、商品がたくさんありすぎるのと、積み立てと違い一度に買うことから、何を買って良いのか基準がわからず迷っています。どのようなものを購入したらよいのか。その内訳やコツを教えていただければと思います。予算は300万円です」(きみゆりさん/60歳/女性/世帯年収500万円) <金融資産>現預金9000万円、リスク資産5000万円

A. 「資産は十分あるので、インカム狙いの商品を買ってみるのもあり」(深野さん)

成長投資枠を使いたいと考えるのであれば、例えばですが、インカム狙いで高配当株や高配当ETF、あるいは東証REIT指数に連動するETFなどを買ってみるのも一策です。 そして、どのタイミングで買うか。これについては、「騰落レシオ」という指標を参考にするといいと思います。この数値は、市場で値上がりしている銘柄数と値下がりしている銘柄数の比率になり、市場の過熱度を見ることができます。 一般的に、騰落レシオは100%が中立の状態で、100%を超えると値上がりしている銘柄が多く、120%以上になると過熱気味(買われ過ぎ)となります。逆に80%以下になると値下がりしている銘柄が多く、売られ気味の状態といえます。 騰落レシオは、5日、25日、75日の3つの期間で見ることができます。私は、25日間の騰落レシオが70%台になったら“買い”と判断しています。ただし、過去2年間(取引日は大体500日)で25日間の騰落レシオが「底値ゾーン」といわれる70%台になったのは、20日ぐらいしかありません。それくらいまれということになります。 ちなみに今、騰落レシオは100%前後で推移しているので、焦る必要はないと思いますよ。もう十分に金融資産を持っていらっしゃるので、楽しめる範疇(はんちゅう)で投資する銘柄を検討してみてはいかがでしょうか。 教えてくれたのは……深野 康彦さん マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。 (文:All About 編集部)

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