ニューヨーク市、地下鉄に携帯型銃検知システムを試験導入へ

Jonathan Allen

[ニューヨーク 28日 ロイター] - 米ニューヨーク市のアダムズ市長は28日、地下鉄の一部の駅で携帯型銃検知システムを試験的に導入すると発表した。

アダムズ氏はフルトン・ストリート駅でのイベントで、マサチューセッツ州を拠点にセキュリティ技術を手掛けるエボルブ・テクノロジーのスキャナーを披露。かつて警察官として地下鉄を巡回していた同氏は「本日の発表は、危険な武器をわれわれの交通機関から排除して、危機に瀕したニューヨーク市民に精神衛生面で改善されたサービスを提供するための継続的な取り組みの次の段階だ」と述べた。

90日間の予告期間を経てニューヨーク市警は新たな携帯型スキャナーの試験を複数の駅で開始する。市長は具体的な駅名には言及しなかった。

この動きに対し、弁護士を雇う余裕のないニューヨーク市民の権利を擁護する団体リーガル・エイド・ソサイエティは、この計画は見当違いである上、市民のプライバシーを侵害するものだと批判。ニューヨーク市が監視機器企業の実験場となるべきではないと訴えた。

ニューヨーク州は2022年、公共交通機関など「(多くの人々が)影響を受けやすい場所」での銃の所持を禁じた。この法律は、米最高裁判所が22年初頭の判決で示した「人々が公共の場で武器を携帯する憲法上の権利」を侵害するとして、銃所有者の権利団体が異議を申し立てている。

世界有数の規模と旅客数を誇るニューヨークの地下鉄は今月、電車内で口論となった男性が自分の銃で頭部を撃たれるなど、銃撃事件が複数回発生している。

警察は地下鉄で今年これまでに19丁の銃を押収している。前年同期に押収した銃は9丁だった。

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