女子ツアー最強の飛ばし屋 260Yヒッター神谷そらは、小学4年で200Y飛ばしていた!

2023年はドライバー平均飛距離260.82ヤードでツアー1位に(撮影:福田文平)

昨季ツアーデビューをしたルーキーイヤーで、2勝を飾った神谷そら。その武器はツアー1位の飛び。2年目を迎えた今シーズン、神谷は何を目標にクラブを振り続けるのか? 海外メジャーをも視野に入れる神谷の今をお届けする。

「6歳でゴルフを始めたんですが、その頃から“振る”練習ばかりしていて、小学4年生のときには、200ヤード超えていました」
 
と話すように、飛距離に関しては、昔から自信があったという。プロでもその飛びは通用した。いや、通用したどころか1年目でドライビングディスタンス部門1位(260.82ヤード)に輝いた。そしてただ飛ばすだけではなく、公式戦を含む2勝をゲット。本人は自覚していないようだが、今や日本を代表する選手になりつつある。
 
初優勝は、デビュー8試合目となった4月の「フジサンケイレディスクラシック」。このときは“無我夢中”の勝利で、勝った喜びよりも、「疲れた」という思いのほうが強かったが、9月の「日本女子プロゴルフ選手権」で勝ったときは、プロテスト同期の平岡瑠依と抱き合いながら喜びをかみしめた。
 
「同期だけど4つ年上で、お姉ちゃんみたいな存在。泣くつもりはなかったんですけど(笑)、彼女の顔を見た途端、思わず涙がこぼれてきました」
 
「日本女子プロ」では、飛距離だけでなく精神的な強さも発揮した。
 
「プロになって一番成長したのはその部分かもしれませんね。ドライバーを曲げても、『気持ち良く振れたからオッケー』と思えるようになったし、ミスしても切り替えができるようになりました」
 
しかし、この優勝以降、体の不調に悩まされる。原因は、熱中症の後遺症だった。
 
「秋になっても、暑くなるとめまいがして、ゴルフどころか日常生活にも支障を来すようになり、そんな状態が10月くらいまで続きました。一応試合には出ていたんですが、プレー中に記憶が薄れることもありました」
 
復活したのは、11月の「TOTOジャパンクラシック」。順位は首位と4打差の8位タイだったが、この試合で「米ツアーでもやれるかも」という手応えをつかんだという。
 
「特に、飛距離の部分。海外の選手とやってもドライバーの飛距離などで通用したので、大きな自信になりました」
 
海外の選手からの賞賛も自信につながった。
 
「初日にジェニー・シンさん(韓国)、2日目にリン・シユさん(中国)、最終日にジャスミン・スワンナプーラさん(タイ)と回ったんですが、3人から『米ツアーにおいでよ』と言ってもらいました。中でもリン・シユさんは、海外メディアに対して、『いい選手がいる』と褒めてくれて。うれしかったし、その気になりました」
 
もともと海外志向が強かった神谷。そのための準備も怠りない。
 
「まずは、理想のスイングに近づけて、その再現性を高めること。それと、スタッツを全体的に上げたいですね。特に、リカバリー率やサンドセーブ率など、スコアに直結するショートゲームの数字を上げていきたいと思っています」
 
このオフには、これまでほとんどやってこなかった体作りにも積極的に取り組んだ。
 
「トレーナーさんからは、筋力も体幹の強さも『全部足りない』と言われてしまったんで(笑)、まずは底上げしようと頑張っています」
 
それが1年間戦える体力作りにもつながると考えている。海外挑戦の時期については、ハッキリとは決めていないが、「今すぐにでも挑戦したいという気持ちはいつでも持っています。今年は海外メジャーに出て活躍したいですね」と話す。
 
開幕から2試合連続で予選落ちした昨年とは違って、24年は開幕戦が4位タイと好発進。今年も、夢に向かって思い切り振り続けるであろう神谷から目が離せない。(文・真鍋雅彦)
 
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