明智光秀が築いた周山城「国史跡に」 京都市で講演会、石垣積み「高度な技術」

周山城跡の石垣について、写真を投影しながら講演する北垣さん(京都市右京区京北・あうる京北)

 戦国時代に明智光秀が築いた京都市右京区京北の周山城跡に残る石垣について、城郭に詳しい石川県金沢城調査研究所の北垣聰一郎名誉所長が、このほど京都市右京区京北の「あうる京北」で講演した。加工しない自然石を積み上げて均一な勾配に仕上げるなど、高い技術が見られると説明した。築城時期がほぼ分かるため、基準資料としての価値も高く「国史跡になってもらわないといけない」と評価した。

 「周山城址(し)を守る会」とあうる京北が主催。北垣さんが踏査成果を披露し、約90人が聴いた。

 同城は1579(天正7)~81(天正9)年ごろ築かれた。北垣さんは城の構造を「山の地形に沿って石垣を積む。効率的に、恐らく短期で造られた」と解説。戦国時代の特徴としていびつな自然石を使うが「安定する位置を探りながら積み、狂いのない直線状に仕上げている」と高い技術を説き、石積みの職人集団・穴太衆によると推測した。

 意図的に破壊された可能性のある石垣の存在や、外面に加えて内側も石積みになっている「石塁」が非常に多い城だとも指摘し「発掘調査で検討を進めてほしい」と語った。

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