角田裕毅を英専門メディアが「ドライバー市場において過小評価されている5人」に選定!「他チームが獲得して成功を収める可能性はある」

F1第3戦のオーストラリア・グランプリで7位入賞を飾ったビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅に対しては、各方面から惜しみない賛辞が寄せられている。

F1公式サイト『F1.com』は、メルボルンでのレースを終えてのパワーランキングを発表し、角田にフェラーリのカルロス・サインツ(10点満点)、マクラーレンのランド・ノリス(8.8点)に次ぐ「8.2」の採点を与え、「同僚ダニエル・リカルドのホームグランプリで、角田はRBの先頭に立って予選では8番手、決勝ではそれよりひとつ順位を上げ、イタリア籍チームに貴重な今季初ポイントをもたらした」と、寸評を綴った。

レッドブルのヘルムート・マルコ顧問は、モータースポーツ専門メディア『SPEEDWEEK』で、「ユウキは現時点で非常に高いレベルのドライビングを見せており、依然として非の打ちどころがない。フランツ・トストと私は常に彼を信じており、彼のスピードは、常に我々にとって疑いの余地のないものだった」と角田を称賛し、さらに以下のように続けている。
「彼の問題は、感情のコントロールを欠き、それが爆発してミスを犯すという傾向があることだった。しかし今季は、それが全てなくなった。ユウキは非常に若くして欧州にやって来たが、それは日本人にとっては非常に大変なことだったはずだ。しかし今や、物事は順調に進んでおり、彼はドライバー市場でも認められつつある。メルボルンでの彼の7位は、RBにとって重要なものである。セカンドグループがポイント圏内でフィニッシュするのは、信じられないほど難しいことだ」

このように、御大は角田が「ドライバー市場」においても価値を高めていることを強調したが、今季はルイス・ハミルトンが長年在籍したメルセデスを今季限りで退団し、フェラーリに新天地を求めることを発表したのを皮切りに、レッドブルではチーム内の問題から王者マックス・フェルスタッペンの離脱の可能性も浮上しており、一気に各チームのドライバー人事に注目が集まっている。そんな中で、角田にもレッドブル昇格やアストンマーティン行きなど、様々な噂が飛び交っている状況だ。

英国のF1専門メディア『PLANETF1.COM』は、「2025年のドライバー市場において最も過小評価されている5人」という記事において、アレックス・アルボン(ウィリアムズ)、エステバン・オコン(アルピーヌ)、ニコ・ヒュルケンベルク(ハース)、そしてサインツとともに、角田を取り上げている。 同メディアは、今季の彼については「バーレーン(開幕戦)では精神的な脆さを晒したものの、日本人ドライバーは現在、リカルドとの間に明確な差を示し始めているため、好印象を人々に与えている。リカルドがフェルスタッペンと再びコンビを組むためにレッドブルに復帰できるかどうかに注目が集まっている中で、角田は悪くない立場にいる」とポジティブに評した。

その上で、「角田はレッドブル・グループの一員として、F1で4シーズン目に入っているが、セルジオ・ペレスがシートを維持する場合、昇格の道が残されていないかもしれない。この場合、日本人ドライバーはRBで5シーズン目を迎えることを望むのか? それとも、他チームで新たなスタートを切ることを選ぶのか?」と、その去就に注目している。

そして後者の可能性については、「2026年にホンダがアストンマーティンと組むことを考えると、この英国シルバーストーンを拠点とするチームでのシートを得ることは、大きなレギュレーション変更に合わせて有力チームに移ることは理に適っている。フェルナンド・アロンソが他のチームに活躍の場を移すならば、その後釜の座を狙えるかもしれない」と綴った。
最後に同メディアは、「角田は過去3年間、信じられない速さと才能のきらめきを見せる一方で、気性の荒さや精神的な強さの欠如によってバランスが崩れていたことで、何か謎めいた存在だった。しかし、最近では未熟な瞬間が少なくなり、彼はマルコ顧問から賛辞を贈られている。そんな彼を、レッドブル・グループ以外のチームが獲得して成功を収める可能性はある」との展望を示している。

開幕3戦で印象的なパフォーマンスを発揮し、望外の結果も残したことで、飛躍的に評価が高まっている角田。最高のタイミングで迎える日本GPを経て、ドライバー市場においても注目の存在となり続けられるか。

構成●THE DIGEST編集部

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