「向いてない」「好きにならない」コースで西村優菜は?

西村優菜が「68」で発進した(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国女子◇フォード選手権 presented by KCC 初日(28日)◇セヴィールG&CC (アリゾナ州)◇6734yd(パー72)

最終9番、セカンドショットを前にしたボールの右側にはフェアウェイ上で泥が付いていた。「(残り)距離がビトウィーンだったので、フェードで(距離を落として)打ちたかったんですけど…」。悪い予感はピタリと当たり、ショットはグリーンの左へ。唯一のボギーが最後に来て、西村優菜は「それ以外は全体として良いゴルフ」という感想にとどめた。

広大なアリゾナ州のコースは、西村にとって「あまり良いイメージがない」と明かす。「雰囲気は好きなんですけど、コースのグリーンの感じも…。ずっと真っすぐで、トリッキーではないから、正直、自分向きのコースではない」というのが開幕前の見立て。飛ばし屋有利に働きそうな不安を抱えながら、初日のティオフを迎えていた。

「パットは良かった」と話す(撮影/田辺安啓(JJ))

前半13番で5mを沈めてバーディを先行。6mを流し込んだ17番(パー3)からは、2連続バーディを決めた。「ちょこちょこミスショットで、ロングパットが残ってしまったところも、うまく2パットで切り抜けられた。パッティングに関してはすごく良かった」という一日。後半2番(パー5)、フェアウェイからの3打目は手前側に切られたピンそば1mにピタリとつけ、4つ目のバーディを奪った。

飛距離が劣る中で戦い方は限られるが…(撮影/田辺安啓(JJ))

5バーディ、1ボギーの「68」で4アンダー。前週まで全体132位(241.16yd)のドライビングディスタンスでは、戦い方が限られる自覚がある。「飛ぶ選手だとパー5は(2打目で)全部乗ってくるし、18番なんかはアイアンで打てると思う。私は(ウッドでも)18番でしか狙えない。そこはビハインドがある」。ただ、「それを気にしてもしょうがない。周りのプレーに惑わされずにやりたい」と、その18番は目論み通り2オン2パットでバーディ。少ないチャンスをしっかり生かした形だ。

「まだ初日。このスコアが出ても全然好きにはならないコースではある」と苦笑い。首位と5打差、32位での滑り出しとなった。「とにかく最低限をしっかり意識しながら、焦らないことを心がけてプレーする。この気持ちの持っていき方が一番大事」。予想通りのバーディ合戦にもひるまない。(アリゾナ州ギルバート/桂川洋一)

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