【新NISA】もう買った? トヨタ株ファンドがリターン15%超えで1位を獲得

国内株式型の資金流入額1位は「日経平均高配当利回り株ファンド」(149.85億円)

国内株式型の2月の資金流入額1位は「日経平均高配当利回り株ファンド」だった。同ファンドは、日経平均株価の中から予想配当利回りの上位30銘柄に投資するというシンプルな商品性から人気を集めている。そして、同ファンドの予想配当利回りは3.7%と、日経平均株価の1.6%を大きく上回る。

2024年1月から新NISAがはじまったが、インデックスファンド以外に投資したいが複雑な商品は避けたい、日本株への投資を検討しているという投資家のニーズを満たしているファンドといえる。同ファンドは新NISAの「成長投資枠」に加え、「つみたて投資枠」の対象ファンドとなっており、3月以降も高水準の資金流入が続く可能性は高いだろう。

■日経平均高配当利回り株ファンド

基準価額 1万8170円
信託報酬 0.693%
純資産残高 827.52億円

<騰落率>
1カ月 3.2%
3カ月 13.1%
6カ月 20.6%
1年 46.3%
※2月末時点

国内株式型の純資産残高1位は「ひふみプラス」(5725.69億円)

国内株式型の2月の純資産残高1位は、「ひふみプラス」だった。同ファンドは、「日本を根っこから元気にする」をコンセプトに、主に日本の成長企業に投資をするアクティブファンドである。2012年5月に運用を開始し、2月末時点の基準価額は6万円を突破し、過去最高値を更新した。ただ、2月末時点における1年騰落率は30.37%と、TOPIXの37.64%を下回っている。また、2月末時点の組入上位銘柄の3位はエヌビディア、6位はマイクロソフトと米国株となっている。国内株式型ファンドであるものの、米国株の動向にも直接影響を受けるという点には注意が必要である。

■ひふみプラス
基準価額 6万148円
信託報酬 1.078%(年率・税込)
純資産残高 5725.68億円

<騰落率>
1カ月 5.19%
3カ月 12.39%
6カ月 14.69%
1年 30.37%

※2月末時点

国内株式型のリターン1位は「トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンド」(15.56%)

国内株式型の2月のリターン1位は、「トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンド」だった。同ファンドは、トヨタ自動車、トヨタグループの株式に投資するアクティブファンドで、2月末時点における組入上位銘柄は、以下の通り。

1.トヨタ自動車 50.3%
2.デンソー 18.0%
3.豊田自動織機 10.0%
4.豊田通商 7.1%
5.SUBARU 5.3%

2月は日経平均株価がバブル後の最高値を更新したが、1米ドルが150円台までドル高・円安が進んだことにより、輸送用機器セクターは市場をアウトパフォームした。

■トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンド
基準価額 4万5894円
信託報酬 0.759%(年率・税込)
純資産残高 1916.57億円

<騰落率>
1カ月 15.6%
3カ月 22.2%
6カ月 29.8%
1年 77.2%

※2月末時点

外国株式型の流入額1位は「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」(2285.51億円)

外国株式型の2月の資金流入額1位は、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」だった。同ファンドは「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」に連動する投資成果を目指すインデックスファンドで、日本を含む先進国および新興国の株式市場に投資を行い、対象インデックスに連動する投資成果を目指す。「投信ブロガーが選ぶ!Fund of theYear2023」の投票でも1位に選ばれており、個人投資家の人気は高い。

ただ、幅広い国・地域に分散投資しているが、米国の割合が62.1%となっており(2月末時点)、上位10銘柄もすべて米国株となっている。米国株の影響を大きく受けるという点には、注意が必要である。

■eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
基準価額 2万3162円
信託報酬 0.05775%(年率・税込)
純資産残高 2兆6248.2億円

<騰落率>
1カ月 5.0%
3カ月 12.5%
6カ月 14.3%
1年 35.2%

※2月末時点

外国株式型の純資産残高1位は「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」(3兆7975.42億円)

外国株式型の2月の純資産残高1位は、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」だった。同ファンドは米国の株式に投資し、S&P500種株価指数(配当込み・円換算ベース)に連動する投資成果を目指して運用を行うインデックスファンドである。S&P500種株価指数 は2月に終値で最高値を8回更新し、一時的に5100を超えた。しかし、終値での5100超えは達成できず、月末の終値は5096.27となった。ただ、月間では5.17%上昇し、4カ月連続の上昇を記録している。同ファンドの2月末時点における1年騰落率は+42.6%と好調なパフォーマンスなので、3月以降も純資産残高を増やす可能性は高いだろう。大台の4兆円を突破するかどうかに注目している。

■eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
基準価額 2万7391円
信託報酬 0.09372%(年率・税込)
純資産残高 3兆7975.42億円

<騰落率>
1カ月 5.2%
3カ月 14.5%
6カ月 16.5%
1年 42.6%

※2月末時点

外国株式型のリターン1位は「インベスコ世界ブロックチェーン株式ファンド」(24.05%)

外国株式型の2月のリターン1位は、「インベスコ世界ブロックチェーン株式ファンド」だった。同ファンドは、日本を含む世界各国のブロックチェーン関連株式に投資を行うインデックスファンドで、「コインシェアーズ・ブロックチェーン・グローバル・エクイティ・インデックス(税引後配当込み、円換算ベース)」の動きに連動する投資成果を目指す。ブロックチェーン関連の株式動向は、業界全体の成長とともに活発化している。特に、ブロックチェーン技術を活用した新しいサービスや製品を提供している企業の株価は注目されている。同ファンドの2月末時点における組入上位銘柄は以下の通り。

1.クリーンスパーク 9.4%
2.マイクロストラテジー 7.4%
3.コインベース・グローバル 5.7%
4.ライオット・プラットフォームズ 5.5%
5.ビットファームズカナダ 5.3%

3月以降も、好調なパフォーマンスを維持できるかどうかに注目している。

■インベスコ世界ブロックチェーン株式ファンド
基準価額 2万9761円
信託報酬 1.573%(年率・税込)
純資産残高 1兆7086億円

<騰落率>
1カ月 24.05%
3カ月 35.05%
6カ月 51.31%
1年 65.75%

※2月末時点

山下 耕太郎/金融ライター/証券外務員1種

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011

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