【沖縄タイムス・屋良朝輝の映画コレ見た?】デューン 砂の惑星PART2 救世主として崇拝され

スクリーンガイド/デューン 砂の惑星PART2

 窮地に追い詰められたり、不満が募ったりした時、人は何かにすがり、信じたくなる。そして時に、その言葉にむやみに付き従ってしまう。

 ヒトラーは、第1次世界大戦、世界恐慌で疲弊したドイツ国民の支持で独裁政権を築き、虐殺行為を行った。トランプ前米大統領にあおられた支持者が、連邦議会議事堂を襲撃した事件は記憶に新しい。

 舞台は砂漠が広がる惑星。前作で資源と惑星の支配を巡り、一族郎党を殺された主人公は、迫害されてきた砂漠の先住民を率いて、反撃ののろしを上げる。先住民から予言の救世主として崇拝される主人公。一方、変わっていく主人公の姿と妄信する仲間たちに危機感を覚えた恋人は「救世主を信じると、救世主に頼るようになる」と訴えるが、聞き入れられない。

 「信じる」とは何なのか。美しく迫力ある映像を見ながら考えさせられた。(学芸部・屋良朝輝)

◇シネマQ、ライカム、ミハマで上映中

© 株式会社沖縄タイムス社