福島県南相馬市が窓口の新サービス開始 転出入届けや児童手当申請「ワンストップ」でOK

申請書の記入や庁舎内を巡る手間が省ける新サービスを導入した南相馬市役所の窓口

 福島県南相馬市は27日、原町区の市役所と小高、鹿島の両区役所で、来庁者と市職員の負担軽減を目指した新しい窓口サービスを始めた。転入・転出の届け出や児童手当の申請などの手続きで、申請書の記入や庁舎内を巡る手間が省けるようになった。市によると同様のサービスの導入は県内初で、東北で2例目。

 これまでは来庁者が手続きごとに決められた窓口を訪れ、申請書を手書きして提出。職員が申請書を読みながらシステムに情報を入力していた。新サービスでは、市役所に訪れた来庁者が窓口で職員の質問に答えるだけで情報が入力され、各担当窓口を巡ることなく手続きが一度で済む。

 市は子どもが3人いる5人家族が南相馬市に転入する場合の手続き時間を試算した。住民異動や子ども医療費の申請などの手続きを行った場合、従来は約1時間20分程度かかっていたが、これからは半分の約40分に短縮される。

 デジタル庁が推進する「窓口DXSaaS」のなかで、NEC(東京都)が提供する窓口業務支援サービスを導入した。来年度には各種証明書の発行手数料をキャッシュレス化し、手続きのオンライン申請などの窓口改革も進める。常木孝浩副市長は「市民サービスの向上のみならず、手入力した情報の確認作業で疲弊していた職員の労働環境改善にもつながる」と導入の効果に期待した。

(相双版)

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