田辺桃子、日比合作映画『DitO』で海外映画祭デビュー 「最高の時間になりました!」

日本・フィリピン合作映画『DitO』が、コンペティション部門に選出されていたイギリス・マンチェスター映画祭 2024で最優秀撮影賞を受賞。主演の田辺桃子らのコメントが到着した。

本作は、2001年にNHK連続テレビ小説『ちゅらさん』でデビュー後、俳優として活動し、2011年に映像制作会社を設立、近年では国内外でプロデュース作品などを手がけている結城貴史が監督デビュー作として日本・フィリピン合作で作り上げた人間ドラマ。

ボクシングを通して、異国の地フィリピンで紡がれる“親”と“子”の成長と存在が描かれる本作。結城が主人公の落ちぶれたボクサー役を演じ、その娘役を田辺、妻役を尾野真千子が務めた。

本作は、2023年9月に開催された第11回トルコ・アンタキア映画祭で音楽賞を受賞、11月にフランスパリで開催のPAMAAutumnでグランプリを受賞、同月イタリア・ローマで開催されたリエティ&サビナ映画祭では最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀女優賞、最優秀男優賞の4冠を受賞、12月南アフリカエクルレニ国際映画祭で最優秀国際長編作品賞を受賞を果たしている。2024年に入ってからは、1月にUSAルイジアナ州で開催された19thシネマオンザバユーで最優秀作品賞を受賞、2月にUSAカリフォルニア州で開催された26thサンフランシスコインディオフィシャルセレクションに選出、そして4月には、USAアリゾナ州で開催される36thアリゾナ国際映画祭のセレクションが続くなど世界中からも注目されている。

そして今回、3月15日~24日までイギリス北西部に位置する都市マンチェスター最大のシネマコンプレックス、オデヲングレート・ノーザンで開催されていたマンチェスター映画祭2024で最優秀撮影賞を受賞した。2000作品もの応募からコンペティション部門に選出された本作。日本映画の選出作品は、ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞が記憶に新しい濱口竜介監督の『悪は存在しない』と本作の2本のみ。3月22日(現地時間)に行われたUKプレミア上映では、事前予約チケットがソールドアウト、観客や現地メディアから熱烈な歓迎を受けるなど、作品への関心の高さをうかがわせていた。

現地には、主人公のボクサー神山を演じた結城監督と、一人娘の桃子を演じ、海外映画祭は今回が初参加となった田辺が揃って登壇。田辺は「私にとって初の海外映画祭がマンチェスター映画祭になったこと、さらにチームDitOとして参加できたこと、そして最優秀撮影賞受賞、言葉通り最高の時間になりました!」とコメントを寄せ、結城は「田辺桃子とマンチェスターで合流し、プロデューサー陣の参加も感慨深いものとなり、改めて素晴らしいチームで作品を創ったのだと再認識させて頂きました」と語った。

なお本作は、7月26日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国順次ロードショーされることが決定した。

コメント
田辺桃子(神山桃子役)
私にとって初の海外映画祭がマンチェスター映画祭になったこと、さらにチームDitOとして参加できたこと、そして最優秀撮影賞受賞、言葉通り最高の時間になりました!
私が今作で大切にしたかった「不恰好でもいい、わたしは諦めない」という想いは言語を越えて届けられるんだ!と、私自身もパワーを貰いました。

結城貴史(監督・主演)
初日からマンチェスターに入り全日10日間を満喫しました。
文化的な街並には多くの映画館や劇場、その中でも一際大きな映画館オデオングレートノーザンでの開催は歴代最高の来場者数と、この映画祭への期待を肌で感じる事ができました。現地入りしている唯一の日本人チームだったこともあり、より作品への期待度も高かったのではないかと思います。授賞式の3月24日は私の誕生日。受賞コール後のスピーチ中に、客席の皆がバースデイソングで祝ってくれて、受賞と併せ最高のプレゼントを頂きました。
田辺桃子とマンチェスターで合流し、プロデューサー陣の参加も感慨深いものとなり、
改めて素晴らしいチームで作品を創ったのだと再認識させて頂きました。
(文=リアルサウンド編集部)

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