「本当にショック」エ軍元監督が大谷翔平と水原一平氏の“パートナー解消”に落胆。要因となった違法賭博に釘刺す「スポーツ全般に悪影響を及ぼしかねない」

ロサンゼルス・エンジェルス時代の元同僚について、かつての指揮官がその胸中を語っている。

米フロリダ州の日刊紙『Tampa Bay Times』によると、2020年から3年間、大谷翔平(現ロサンゼルス・ドジャース)が所属したエンジェルスで指揮を執ったジョー・マドン氏が日本人スターの専属通訳を務めた水原一平氏の違法賭博問題について「ショックだった」と語り、世界中の野球ファンを騒然とさせたスキャンダルについて心境を明かしている。

マドン氏は同紙の取材に対し、「すべてのことが本当にショックだ。あり得ない」とその第一報に耳を疑ったという。「あの2人の側にいたことのある人間にとっては、こんなことになるなんて誰も想像できない。ショウヘイとイッペイのどちらの話も、誰も信じられない」と、いまだ驚きを隠し切れない様子だった。

現地25日に大谷が球団クラブハウスで、水原氏の違法賭博問題について初めて報道陣の前で声明を発表した。「信頼していた方だったので、悲しくてショック」「彼(水原氏)は、みんなに嘘をついていた」「僕自身は(違法)ブックメーカーなどに賭けていないし、送金も依頼していない」などと、自らの潔白を主張。18年のメジャー1年目からコンビを組んできた相棒の嘘を次々と告白した。

「私だってショウヘイが賭けをするなんて考えられないし、イッペイがショウヘイの信頼を失うようなことをするなんてことも信じられない。彼らは毎日一緒にいたし、コミュニケーションも毎日取っていたんだ。そうやって(大谷が)二刀流選手になるところまで、たどり着いたんだ」
70歳のマドン氏は続けて、「ショウヘイとイッペイは切り離せない間柄だ」と評し、「それは真実だ。常に良好な関係だった」と述べ、「2人が言い争っている場面や対立しているのを一度も見たことがない」と断言する。ゆえに、「友人関係が断絶するなど、考えられるわけがなかった」と、理想的とも言えた大谷と水原氏のタッグ解消に落胆した。

さらに「ギャンブル依存症」だと告白した水原氏が巨額の借金を作るきっかけとなったスポーツ賭博についても、マドン氏は「スポーツ賭博が、プロリーグを台無しにする可能性がある」と興味深い発言をしている。

「人々が暇つぶしに娯楽と感じるさまざまなものがあるが、それは必ずしも正しいことではない。私には理解できないよ。私はギャンブルをやらないし、野球に損害を与えるかもしれない。スポーツ全般に悪影響を及ぼしかねない」

スポーツ賭博について釘を刺したマドン氏。韓国でのMLB開幕シリーズ2戦目から消息を絶っている水原氏に、かつての指揮官の言葉は届いているのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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