「どうやってマネジメントしていくか」連発中の伊藤、移籍後初弾の櫻川、新戦力の髙橋。横浜FCの1トップ候補、充実のラインナップに指揮官も思案

J1復帰を目ざす横浜FCで、新たな得点源として期待されていた森海渡だが、3節・山形戦で負傷。診断の結果は前十字靭帯損傷で、3月18日に手術を行ない、全治は経過観察後の判断になるという。

不測の事態にフロントの動きは早かった。浦和からFW髙橋利樹を期限付き移籍で獲得。四方田修平監督は、ニューカマーを次のように評する。

「一昨年のJ2、去年はJ1で浦和とやったなかで、選手としてはよく把握している。3バックで1トップのチームでもやってきている選手で、浦和のウイングとしてのタスクもこなしてはいるので、そういう意味では、うちのチームのやり方にも十分、順応していけるなと。彼の強さとか、ハードワークできるところとか、力になってもらえるのではないかと思います」

即戦力を迎え入れた一方、3-4-2-1を基本布陣とする横浜FCの1トップ候補で、指揮官は少なからず頭を悩ますかもしれない。

伊藤翔が直近2試合で計3ゴールと抜群の決定力を示せば、今季に加入した櫻川ソロモンは、6節・鹿児島戦で自ら奪ったPKを決め、待望の移籍後初ゴールをマークした。

調子が上向きの2人に加え、髙橋という実力者が加わった。四方田監督は「大変だなと思って。どうやって、この3人をマネジメントしていくか」と思案する。

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明確な力の差があれば、それほど悩みはしないだろう。四方田監督も「これしかないと決められるほうが楽。核、その次、若手ぐらいで、はっきりしていれば」と吐露する。だが、実際は違う。三者三様でタイプは異なるものの、良い意味で序列はフラットだ。

対戦相手や試合展開に応じて、起用方法は変わってくるだろう。「翔と、ソロモンと、利樹の3人の構図がどうなっていくのか分からないですけど」と指揮官は現状を見ているなかで、「やっぱり、動きが良い選手、結果を出した選手を評価するのが一番」と語る。

次節はホームで仙台を迎え撃つ。横浜FCと同じく、ここまでの総失点はリーグ最少タイ「2」と堅守を誇る相手に、四方田監督がどんな采配を見せるか注目だ。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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