「2024年に訪れるべき街」3位でJリーグ観戦【サッカーU23日本代表2試合をつないだ「1日2400円」青春の鉄道旅】(1)

U-23日本代表の試合が行われる北九州をゴールとする旅が始まった。撮影/原壮史(Sony α1使用)

蹴球放浪家・後藤健生は、青春を生きている。U-23日本代表の2試合を「青春18きっぷ」でつないだのだ。今月行われたパリ五輪予選前最後の調整試合の「隙間」をリポートする。

■U-23日本代表を追いかけて「旅は早いもの勝ち」

3月下旬は、U-23日本代表の強化試合を追いかけて、九州まで放浪をしてきました。

事の次第はこうです。

パリ・オリンピック出場を目指すU-23日本代表が3月22日に京都・亀岡市のサンガスタジアム、同25日に北九州スタジアム(ミクニワールドスタジアム)で強化試合を行うことは、昨年の12月にJFAから発表がありました。

それで、僕はさっそく、京都と北九州のホテルを予約しておきました。ホテルは早めに予約したほうが安くなります。まだ、2つの試合に行くかどうか、はっきり決めてはいませんでしたが、「無料キャンセル」の所を予約しておけば、行かないことになればキャンセルしてしまえばいいわけです。

22日の金曜日に京都で試合を見て、月曜日には北九州で次の試合。ということは、土曜、日曜にもどこかで試合を見ることができるはずです。ただ、12月にはまだJリーグなどの日程は発表になってはいませんから、このあたりのスケジュールはまだ決められません。

■北九州に向かう途中で観戦「長崎か山口か」

さて、年が明けてJリーグやJFLなどの日程が発表になりました。京都から北九州に向かう途中で見られる試合をチェックしてみます。

発表になった日程表を見ると、3月下旬のこの週末には、西日本ではあまり試合がないようでした。23日の土曜日は、東大阪市の花園ラグビー場でJ3リーグのFC大阪と松本山雅FCの試合がありました(幸い、開幕してみるとFC大阪は上位につけていました)。

24日の日曜日には、山口県山口市でJ2リーグのレノファ山口対愛媛FCの試合がありました。それを見るか、それともいっそのこと九州に入ってしまって、V・ファーレン長崎対ヴァンフォーレ甲府を見るか……。

悩んだ末に、僕は山口の試合を見に行くことにしました。

僕はまだレノファ山口の本拠地である「維新みらいふスタジアム」というスタジアムに行ったことがなかったから、というより、山口市という街にも行ったことがなかったのです。

そして山口市は1月に、アメリカの『ニューヨーク・タイムズ』紙の「2024年に訪れるべき52選」という企画で3番目に紹介されたのです。

これはもう、山口に行くしかありません。

■新幹線は高いので却下「3月下旬なら…」

こうして試合観戦のスケジュールを決めたら、次に考えなければならないのが交通手段です。

いかに効率的に(安上がりに)移動するか……。

普通、京都で試合があるときは、東京を朝に出発する高速バスを利用します。夕方、京都に着いて早めの夕食で美味しいものでも食べて、亀岡に向かうのが“順路”です。だから、僕は今回もそのつもりでした。

さて、土曜日に大阪で試合を見てから翌日の山口まで、どうやって移動するのがいいのでしょうか? 新幹線は高いので却下です。調べてみたら、大阪から山口までの夜行バスはありませんでした。もちろん、大阪から山口までの空路もありません。

と、いろいろ悩んでいましたが、2月の中旬になって気がついたのです。「3月下旬なら、春休み期間中だ。『青春18きっぷ』が使えるじゃないか!」と。

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