開幕戦4位チェッカーのキャデラックVシリーズ.Rに失格裁定。3Dスキャンで車両規定違反が発覚

 3月2日にカタールで開催されたWEC世界耐久選手権第1戦カタール1812kmのレース結果が改訂され、ハイパーカークラスにエントリーする2号車キャデラックVシリーズ.Rがボディワーク不適合により失格となった。

 アール・バンバー/アレックス・リン/セバスチャン・ブルデーがドライブする2号車は、ルサイル・インターナショナル・サーキットで行われた開幕戦の決勝レースを当初4位でフィニッシュしていた。

 しかし、3月28日にになって公開されたスチュワード・レポートでは、この車両がLMDh技術規定に違反したとの裁定が下され、レース結果から除外された。

■“意図的”ではなく、「品質管理不足」

 このレポートによると、レース後の車検で行われた3Dスキャンにおいて、車両のホモロゲーション時にキャデラックから提供された公式な車両のCADモデルと、実際に第1戦で使用された車体との間に、不一致が発見されたという。

 車両後端下部の左右に取り付けられたリヤディフューザー・ストレーキが、許容公差を含むCADモデルの公称値よりも高い位置にずれて取り付けられていることが判明したとのことだ。

WEC世界耐久選手権に参戦しているキャデラック・レーシングの2号車キャデラックVシリーズ.R

 追加のチェックの後、スチュワードはチームマネジャーのスティーブン・ミタスを3月16日に呼び出し、3月20日にオンラインでのヒヤリングが行われた。この際、ミタスはキャデラックのシャシーパートナーであるダラーラからの証拠を提出。ここには、この違反はミスの結果であり、それらのパーツが「最終的な品質管理を行わずに」納入されていたという事実が記されていた。

 スチュワードはキャデラックにもダラーラにも「意図的な行為」はなかったとみなしたが、「これに関係なく、技術規則違反はあり、失格という罰則が科されることになった」と記している。

 このキャデラックの失格により、ロバート・クビサ/ロバート・シュワルツマン/イーフェイ・イェ組のAFコルセ83号車フェラーリ499Pが4位に浮上し、トヨタGAZOO Racingの7号車トヨタGR010ハイブリッドはトップ5に繰り上がることになる。

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