米PCE指数、FRBの期待に沿ったもの=パウエル議長

Howard Schneider Ann Saphir

[ワシントン 29日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は29日、この日公表された2月の米個人消費支出(PCE)価格指数は「私たちの期待に沿った」内容だったとの見解を示した。年内の利下げに向けた基本方針に変わりがないことを示唆する発言とみられる。

サンフランシスコ地区連銀での公共ラジオ番組のインタビューに応じたパウエル氏は「昨年下半期に得られた多くの良好な数値ほど低くはなかったものの、私たちの期待により沿っていたことは間違いない」と発言。今回の結果に「過剰に反応することはない」と述べた。

今回の発言は先週の連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見内容に沿ったものだった。

変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は2月に前月比0.3%上昇。パウエル氏は先週、0.3%を「かなり下回る」と予想していたが、2月の結果がFRBの基本的な見通しを損なうものではないと言及した。

ライトソンICAPのチーフエコノミスト、ルー・クランダル氏は、四捨五入する前のコアPCE上昇率は0.26%で、0.3%をわずかに下回ったと指摘。「依然として年2%の目標を上回っているが、ひどい数字ではない」と語った。

パウエル氏は利下げを急ぐ必要はないとし、利下げを開始する前にインフレ率の鈍化が進むことを「より確認する必要がある」と指摘。「利下げを開始するという決定は非常に、非常に重要なものだ」とし、「現在は経済が力強く、労働市場も力強い。インフレ率も縮小してきている。私たちは慎重に決定することができるし、そうする」と説明した。

パウエル氏は4月3日にも講演を予定しており、金融政策見通しについてさらにメッセージを発信する機会となる。

ドイツ銀行のエコノミストは、このイベントについて「短期的な見通しに関しては、より慎重な表現が予想される」としながらも「FRBはデータを重視しており、インフレ率が2%に向かっているというさらなる証拠が必要という、3月20日のFOMCで示されたメッセージから大きく逸脱することはない」との見方を示した。

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