紅こうじ 茨城県内死者、サプリ摂取確認

紅こうじを使った食品を摂取した県内在住者の死亡を発表する県生活衛生課の仁藤健二課長(中央)ら=県庁

茨城県は29日、小林製薬(大阪市)の「紅こうじ」を使ったサプリメントを摂取した県内在住の1人が死亡したと発表した。同社が同日の記者会見で公表した関連が疑われる死者5人のうちの1人。県は死者の年齢や性別などは明らかにしていない。

県によると、大阪府大阪市から28日、県内在住者1人が死亡した疑いがあると情報提供があり、遺族などに聞き取り調査した結果、同社の紅こうじを含むサプリを摂取していたと確認した。県は遺族の同意が得られていないとして、年代や性別、摂取時期などは明らかにしていない。

同社は29日、大阪市で開いた記者会見で、関連が疑われる死者が1人増えて計5人になったと公表した。県内の死者は5人の中に含まれる。

県内では29日時点で、今回の死者を含めた健康被害を4件確認している。

県は28日までに発表した40~50代の男女3人については、同社のサプリ「紅麹(べにこうじ)コレステヘルプ」を半年前後にわたって摂取していたことを明らかにした。

50代女性は、手足のむくみや倦怠感などを訴え一時入院。2023年8月から今年1月ごろまでサプリを摂取した。50代男性は倦怠感を訴え通院中で、23年8月から12月ごろまで摂取。40代女性は手足のむくみを訴え経過観察中で、23年8月ごろまで摂取した。

同社の紅こうじが供給されていた県内3事業者に対しては、保健所が製造状況や製品の流通先などを調査していると説明。調査結果を踏まえた上で、今後、製品の自主回収を事業者に促す方針。

県は、健康被害のある人は医療機関の受診、保健所に相談するよう呼びかけている。自主回収の対象製品については「摂取せず、各メーカーの返品方法に従って対応してほしい」としている。

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