【2024春の甲子園】第96回選抜高校野球ベスト4の戦力分析 頂点に近いのは?

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秋春連覇を狙う星稜、勝てば群馬県勢69年ぶり決勝進出となる健大高崎

第96回選抜高等学校野球大会はベスト4が出揃い、30日の準決勝と31日の決勝を残すのみとなった。

第1試合は星稜(石川)vs健大高崎(群馬)。両校の勝ち上がりは下の通りとなっている。

センバツでは石川県勢として初の4強入りを果たした星稜は、初戦で21世紀枠の田辺(和歌山)を4-2、2回戦で八戸学院光星(青森)を3-2、準々決勝で阿南光(徳島)を5-0で下して準決勝に進出している。

田辺戦はエースナンバーを背負う佐宗翼、背番号18の戸田慶星、背番号11の道本想の3人リレー。2回戦は佐宗翼が141球を投げて2失点完投、準々決勝は戸田慶星が2安打完封勝利を挙げた。

打線は準々決勝で6番を打った能美誠也と8番・中島幹大がいずれも9打数5安打の打率.556と当たっている。

昨秋公式戦は13連勝で石川大会、北信越大会、明治神宮大会全て優勝。投打のバランスが取れた試合巧者で、春夏通じて甲子園初優勝も見えてきた。能登半島地震で苦しむ故郷の人々の後押しも受けて頂点を目指す。

一方の健大高崎は、1回戦で学法石川(福島)を4-0、2回戦で明豊(大分)を4-0、準々決勝で昨年王者の山梨学院(山梨)を6-1で撃破。初出場だった2012年以来のベスト4入りとなった。

3試合ともエース佐藤龍月が先発し、背番号10の石垣元気への2年生リレー。佐藤は19イニング無失点で5安打、19奪三振と頼れる存在だ。

打っては3番・高山裕次郎、4番・箱山遥人がともに10打数4安打の打率4割。箱山は5打点と主砲の働きをしている。

4強入りした2012年は「機動破壊」がキャッチフレーズのように語られたが、今大会は3試合合わせて1盗塁。イメージが変わったものの積極的な走塁は健在で、よりバランスの取れたチームになっている。

決勝進出なら同校初で、群馬県勢としてもセンバツでは1955年の桐生以来69年ぶりとなる。歴史を塗り替えることができるか注目だ。

千葉県勢初優勝を狙う中央学院、昨春の雪辱を期す報徳学園

第2試合は中央学院(千葉)vs報徳学園(兵庫)。両校の勝ち上がりは下の通りとなっている。

中央学院は初戦で耐久(和歌山)を7-1、2回戦で宇治山田商(三重)を7-6、準々決勝で青森山田(青森)を5-2で下して初の準決勝進出。千葉県勢としては2008年の千葉経大付以来16年ぶりのベスト4となった。

3試合とも継投だが、初戦と2回戦は背番号10の臼井夕馬からショートと投手を兼務する颯佐心汰、準々決勝は背番号1を背負う身長186センチ、体重90キロの大型右腕・蔵並龍之介から颯佐心汰へのリレー。今大会初登板となった蔵並は青森山田相手に7.0イニングで137球を投げて1失点だった。準決勝は誰が先発し、どのタイミングで継投するのかもポイントになりそうだ。

打線では1番・青木勝吾が10打数6安打7打点と絶好調。7番を打つ飯山成夢も10打数4安打と当たっている。

決勝進出なら2019年の習志野以来。準優勝は1995年の銚子商、1981年の印旛と計3度あるが、意外にも優勝はない。中央学院は千葉に初めて紫紺の大旗を持って帰れるか。

一方の報徳学園は準優勝した昨春に続く4強入り。初戦で愛工大名電(愛知)を3-2、2回戦で常総学院(茨城)を1-6、準々決勝で大阪桐蔭(大阪)を4-1で破って準決勝に進出した。

初戦は背番号10の今朝丸裕喜からエースナンバーを背負う間木歩、2回戦は間木歩から背番号16の伊藤功真への継投。準々決勝は今朝丸裕喜が113球を投げて1失点完投だった。準決勝でどの投手が出てきても相手打線にとって攻略は簡単ではない。

打線も4番・斎藤佑征が12打数7安打の打率.583、1番・橋本友樹は12打数5安打の打率.417と当たっている。最も厳しいと見られたブロックを勝ち上がった実力は本物だ。

2002年に大谷智久(現ロッテ二軍チーフ投手コーチ)を擁してセンバツを制した報徳学園。昨春の無念を晴らす22年ぶりの頂点まであと2勝だ。



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