中心街に潤い空間 山形・七日町、「御殿堰」整備が完了

風情のある歩行空間に生まれ変わった御殿堰=山形市七日町1丁目

 山形市内を流れる山形五堰(せき)の一つ「御殿堰(ごてんぜき)」を活用してにぎわい創出につなげる市の御殿堰整備事業が完了し、同市七日町1丁目の現地で29日、竣工(しゅんこう)セレモニーが行われた。十一屋本店とオワゾブルー山形の間を流れる御殿堰はコンクリートに覆われていたが、玉石積みの堰となって姿を現し、潤いのある空間に生まれ変わった。

 事業は2021年度に始まり、整備延長は65.2メートル。事業費は4億9千万円で、約半分は国の補助金を活用した。蔵王山系や馬見ケ崎川水系で見られるような黒色の石を積み上げ、風情を感じさせる水路にリニューアルした。山形五堰の流路を紹介する案内板も設置した。

 中心市街地の回遊性を高めるため、石張りの歩道も整備した。国道112号を挟んで東側にある「水の町屋七日町御殿堰」と連続したデザインとなっている。整備エリア内には二つのハート形の石があり、探しながら散策を楽しめる工夫も凝らした。

 佐藤孝弘市長、岩淵正太郎七日町商店街振興組合理事長、松倉公一・十一屋社長、オワゾブルー山形を運営するジョインの武田靖子専務らがセレモニーに出席し、テープカットを行った。佐藤市長は「山形五堰は市が誇る歴史的資産。これを生かして中心市街地の活性化を図り、市民に愛される五堰にしていきたい」と話した。

あす31日、マルシェやミニコンサート  御殿堰のリニューアルに伴い、七日町商店街振興組合主催の完成記念イベントが、31日午前10時から同所周辺で行われる。十一屋本店による限定商品の販売、飲食などを楽しめるオワゾブルー山形のマルシェを予定する。ソプラノ歌手・松倉とし子さんのミニコンサート、山形大の学生らによる演奏も企画している。

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