教職員計9400人の異動を発表 いじめ・不登校対策に注力 女性管理職は19%台に 埼玉県、さいたま市教委

埼玉県、さいたま市が教職員人事異動を発表

 埼玉県教育委員会は29日、4月1日付の教職員人事異動を発表した。異動規模は前年度比748人減の8026人だった。うち、退職を除く転任・新任は7292人で前年度から97人増加している。

■教育局

 異動人数は前年度より2人増の536人。人事交流は教育局から学校への異動が108人、知事部局へが18人。教育局には学校から89人、知事部局から25人が異動する。

 複雑化・困難化する教育課題に対応するため、総務課・教育政策課を再編し、教育長直轄の参事(副部長級)と参事付職員を配置するなど、部局横断的な組織力の強化を図る。

 さらに、いじめ・不登校対策の強化として生徒指導課を市町村支援部に移管。同課に新たに教育指導幹(課長級)を配置する。また、情報通信技術(ICT)を活用した教育の推進としてICT教育推進課に2人増員する。

 部長級では副教育長に環境部副部長の佐藤卓史氏(57)、市町村支援部長に同部副部長の吉田勇氏(58)が就任する。副課長級以上の女性管理職の登用は前年度同数の21人で、割合は19.6%となる。

■学校(さいたま市除く)

 小中学校と県立学校全体の異動人数は前年度比750人減の7490人で、内訳は小学校3465人、中学校1889人、義務教育学校44人、県立学校2092人。

 新任校長は小中学校が107人、県立学校が31人。県立学校校長の転任は春日部高校に県立学校人事課長の角坂清博氏(57)、大宮高校に保健体育課長の松中直司氏(57)、熊谷女子高校に魅力ある高校づくり課副参事兼副課長の栗藤義明氏(58)など。

 教員の新採用は小中学校が合計1119人、県立学校が計516人だった。

■新規採用、過去最高に/さいたま市教職員人事

 さいたま市教育委員会は29日、4月1日付の市立学校教職員の人事異動を発表した。異動規模は前年度より82人増の1374人だった。内訳は小学校814人、中学校473人、高校27人、中等教育学校28人、特別支援学校32人。35人学級への対応や優秀な人材を確保するため、新規採用は409人(前年度比31人増)と過去最高だった。

 新任の校長は25人(同8人減)、教頭は30人(同11人減)。女性管理職は校長に前年度と同じ6人、教頭に3人(同5人減)を初登用して68人(同2人増)となり、割合は19.2%で過去最高となった。市教委は2025年度までに、女性管理職の割合の目標を20%としている。

 退職者は小学校80人、中学校32人、高校4人、中等教育学校1人、特別支援学校6人の計123人。公務員の定年延長が新年度から始まり、役職定年対象者18人のうち、4人が特例で校長や教頭の管理職を継続する。

 ※教職員異動名簿は、埼玉県、さいたま市とも3月30日付の埼玉新聞本紙に掲載

佐藤卓史副教育長
吉田勇市町村支援部長

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