「課題に悩み、突破していく毎日」 廣田副知事、退任前に振り返る 三重

【退任の記者会見に臨む廣田副知事=県庁で】

 廣田恵子三重県副知事(66)は29日、任期満了(31日)を前に県庁で記者会見に臨んだ。「不器用なので、いくつもの課題に悩みながら突破していく毎日が続いていた」と振り返った。

 廣田副知事は「県民からの負託を受けた知事を少しでもサポートできれば良いと思って仕えてきた。知事が一生懸命にやっていることを、なんとか実現できるように努めてきた」と述べた。

 「午前7時前には登庁し、お茶を沸かして全ての新聞を読んでから仕事をするのが日課だった」という。副知事に就任してからは「現場の声が聞きにくくなったのは残念だった」と語った。

 印象的だったことを問われて「何も記事にできることがなく、すいません」と謙遜する場面も。退職後は「本に関わることがしたい。農業をしながら落ち着いた生活をしたい」と語った。

 県庁の玄関で大勢の職員に見守られて花束を受け取り、退任のあいさつをする恒例のセレモニーは「裏街道で生きてきた性格にそぐわない」という廣田副知事の強い意向で実施しなかった。

 廣田副知事は昭和55年に入庁し、商工労働部(当時)などで勤務。議会事務局総務課長や東京事務所長、雇用経済部長、教育長などを経て令和2年4月から現職。名古屋大経済学部卒。

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