企画書の狙い通りだった「世界ふしぎ発見!」 黒柳徹子の圧倒的正解率、野々村真の低正解率

TBSテレビの長寿番組「世界ふしぎ発見!」が2024年3月30日の放送でレギュラー番組としての最終回を迎える。

それにあわせ、テレビ番組制作の「テレビマンユニオン」会長で、同番組の企画&プロデューサー・重延浩さんが、2024年3月15日発行の会報「テレビマンユニオンニュース」で番組スタート時の秘話を明かしている。

「文化の香りのする数少ない番組でした」

重延さんが今も大事に持っている手書き企画書は「WORLD ADVENTURE SHOW セブンミステリー」。企画段階では、番組名が異なっていた。表紙にはツタンカーメンの仮面をかぶったミイラの写真が貼ってある。

番組スタート時に作られた「世界ふしぎ発見!」の企画書を発見!(重延浩さん提供)

あなたは毎日の都会生活に飽きていませんか?あなたは冒険とロマンに憧れていませんか?あなたは知的サスペンスを求めていませんか?と書かれている。

そして、豪華冒険ミステリークイズショーですと。そこにはインディー・ジョーンズの写真が貼ってある。

当時、TBSで報道番組を担当していた草野仁さんに司会をお願いすると「なぜ、私が?」と驚いたそうだ。奇想天外な企画書を見て納得してもらったという。

また、黒柳徹子さんは「私が歴史クイズ番組の回答者?もし答えられなかったらどうするの?」と否定的だったが、「この番組は歴史の勉強になります」との説得に折れた。「わたし、歴史に弱いのよ。アフリカって一つの国だと思っていたのよ」と。

もっとも、番組が始まると、黒柳さんの正解率は圧倒的なものだった。

野々村真さんは正解率の低い人も必要ということで起用したが、見事に成功だったという。思えば野々村さんが全問正解のパーフェクト賞をとるまで20年かかった。

重延さんは「文化の香りのする数少ない番組でした。私にとってのふしぎ発見は、人間のすばらしさでした」と話している。

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