宝塚月組トップ月城かなと・海乃美月コンビの退団公演が開幕

宝塚月組公演ミュージカル・ロマン『Eternal Voice 消え残る想い』と、レビュー・アニバーサリー『Grande TAKARAZUKA 110!』が、3月31日(土)、兵庫県宝塚市の宝塚大劇場で開幕する。

この公演は、月組トップスター・月城かなととトップ娘役・海乃美月の退団公演とあって注目度も高い。2021年8月の就任以来、芝居のうまい、落ち着いた大人の雰囲気を持つコンビとして、『川霧の橋』(21年)『グレート・ギャツビー』(22年)など名作の再演、『今夜、ロマンス劇場で』(22年)『DEATH TAKES A HOLIDAY』『フリューゲル-君がくれた翼-』(共に23年)などオリジナルの新作や海外ミュージカルで、いずれも好評を博してきた月城と海乃が最後に挑む2作品に、大きな期待が寄せられている。

同時に今公演は、110期生の初舞台公演でもある。大劇場では開演前、初舞台生が黒紋付に緑の袴の正装で舞台上にずらりと並び、3人ずつ日替わりで口上を述べるのも見どころのひとつだろう。

前半の『Eternal Voice 消え残る想い』は、正塚晴彦が作・演出を手がけるミュージカル作品で、舞台は19世紀のイギリス。月城が演じる考古学者でアンティーク・ハンターのユリウスは、悲劇の女王メアリー・スチュアートの遺品とされる首飾りを手に入れるが、原因不明のめまいや悪夢に襲われる。友人で超常現象研究家のヴィクター(鳳月杏)を訪ねた彼は、そこで助手のアデーラ(海乃)と運命的に出会い、やがてふたりは大事件に巻き込まれていく。

息の合ったトップコンビの芝居に加え、正塚作品にお馴染みの男同士の友情を、月城と次期トップスターに決まった鳳月が描くのも見逃せない。今回も、シリアスな中にも笑いやペーソスが散りばめられた独特の正塚ワールドが展開しそうだ。

後半のショー『Grande TAKARAZUKA 110!』は、作・演出中村一徳。宝塚歌劇110周年を記念し、愛と夢の楽曲で綴られる華やかなレビュー作品で、長く受け継がれてきた歴史と伝統を踏まえつつ、“月”をイメージした未来へのメッセージが織り込まれるという。

このショーの中で、初舞台生による恒例のラインダンスも披露される。観客の手拍子に合わせ、満面の笑みで一糸乱れぬダンスを披露する姿にも注目したい。

5月11日(土) 15時30分公演と、12日(日) の千秋楽には、本編終演後、月城と海乃のサヨナラショーが行われる。千秋楽は全国各地の映画館でライブ中継され、タカラヅカ・オン・デマンドでライブ配信が実施される予定だ。

東京公演は、6月1日(土) から7月7日(日) まで東京宝塚劇場で上演。7月6日(土) と7日(日) の公演はサヨナラショーがあり、6月13日(木) には、雅 耀主演で東京のみ新人公演が行われる。なお、サヨナラショーが付く2公演と新人公演は、ライブ中継及びライブ配信も予定されている。

文:原田順子

<公演情報>
宝塚歌劇団月組 ミュージカル・ロマン『Eternal Voice 消え残る想い』/レビュー・アニバーサリー『Grande TAKARAZUKA 110!』

【兵庫公演】
2024年3月30日(土)~5月12日(日)
会場:宝塚大劇場

【東京公演】
2024年6月1日(土)~7月7日(日)
会場:東京宝塚劇場

チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/search_all.do?kw=%E6%9C%88%E7%B5%84+Eternal%20Voice

公式サイト:
https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2024/eternalvoice/index.html

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