自分では気づいていない!?ミドル・シニアの会社員がもつ「唯一無二の専門性」とは【人材開発コンサルタントが解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

「あなたの強みはなんですか?」という質問に対して、スムーズに答えられるミドル・シニア世代は決して多くないでしょう。しかし、『55歳からのリアルな働き方』(かんき出版)著者で人材開発コンサルタントの田原祐子氏は、ミドル・シニア世代の会社員には「唯一無二の強み(才能)がある」といいます。それはいったいなんなのか、みていきましょう。

多くのミドル・シニアは、「自分の強み」がわからない

長年コツコツ蓄積してきた“経験知”は、じつは、あなたにとって新たな収入や新たな価値、新たなキャリアをもたらす極上の宝物です。

極上の宝物は、言い換えれば、あなた自身の「才能(強み)」でもあります。才能は、あなたしか持ち合わせていない、この世に唯一無二の、天から与えられた素晴らしいギフトなのです。

ところが、ここでもまた問題があります。多くの方が、「自分自身に内在する才能に気づいていない」ことです。それどころか、「今の会社の肩書がなくなってしまったら、自分なんて(何の価値もない?)」と、悲観的にさえなっている方の多いこと!

また、ご自身の才能の活かし方がわからないままだと、「しまった!」と後悔することにもなりかねません。

[図表]は、パーソル総合研究所と法政大学の石山研究室が2017年に実施した、ミドル・シニアの躍進実態調査の中にある「定年後再雇用に備えた事前準備」という意識調査の結果です。

[図表]定年後再雇用に備えた事前準備
※出所:『55歳からのリアルな働き方』より抜粋

この調査では、約4割の人が定年後の「備えとして行っていたことは特にない」と答えています。

一方で、「仕事に対する考え方を変えていた」「定年後の過ごし方について家族と話し合った」「職場メンバーと、良好な人間関係を築けるよう心がけていた」と答える人がそれぞれ約3割いることから、危機感をもっている人が多いこともうかがえます。

さらに一歩進んで、「専門性を深める」「専門性を広げる」努力をしていると答えた人が、それぞれ2割前後いました。

これらの結果を踏まえて、この調査では定年後の再雇用に備え、「専門性が重要」であると解説しています。

ミドル・シニアにとっての「専門性」とは

「専門性」とは、まさに、あなたの宝物である、知識・スキル・コンピテンシーであり、経験知に他なりません。さらに、「専門性」とは、世間でよく言われている、一般的な専門性ではありません。あなたに新たな収入や新たな価値、新たなキャリアをもたらす、唯一無二の、あなたご自身の貴重なノウハウ・ナレッジが集積された専門性です。

それにもかかわらず、これらを意識して理解しているミドル・シニアが、あまりに少ないのです。

田原 祐子
人材開発コンサルタント/ナレッジ・マネジメント研究者

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