10年以上放置された旅館に再び命を…クラファン、SNSでサポーターも手伝い華麗にリノベ 霧島に温泉カフェがオープン

温泉カフェ「湯らり~な」テラス席に立つ浜弓場美来店長=霧島市隼人町嘉例川

 鹿児島県霧島市隼人町嘉例川の天降川沿いにある10年以上使われていなかった旅館跡がこの春、新施設に生まれ変わった。地下1階に温泉カフェ「湯らり~な」が31日開業する。クラウドファンディングやSNSを活用し、オープンを心待ちにするファンと一緒につくり上げた。店長の浜弓場美来さん(22)は「日頃の疲れをゆっくり癒やして」と呼びかけている。

 浜弓場さんがリノベーションの進み具合を紹介するインスタグラムアカウントが後押しした。2023年11月に開設して1週間でフォロワーが1万人を超え、現在では2万6000人。動きや声を伝えられるショート動画に絞って投稿。「多くの人と一緒に盛り上げたい」と上司の川越章弘さん(27)が台本を書いている。

 インスタグラムで改修作業のボランティアも3回募集。毎回20人程度が集まった。参加した霧島市国分の自営業・税所泰枝さん(49)は「応援したい人が集まりいい雰囲気だった。開業が楽しみ」と笑顔だった。

 宴会場だった広間に人工芝を敷きハンモックやクッションが並ぶリラックススペースを備える。利用料は温泉付き1日1100円。カフェは室内とテラス席がある。

 カフェを運営するのは霧島市隼人の飲食・福祉業リバーランド。旅館オーナーに声をかけられ、23年11月に改修を始めた。浜弓場さんは「多くの人に支えられた。皆さんに愛される場所にしたい」と話している。

 営業時間は午前10時~午後8時。飲食は午前11時から。カフェが入る宿泊施設「やまのゆ 川音」も31日オープンする予定。妙見・安楽温泉郷近くの国道223号沿いで、赤い橋と黒い壁が特徴の建物。問い合わせ先は「湯らり~な」=070(9160)2358。

温泉カフェ「湯らり~な」のハンモックやビーズクッションが並ぶリラックススペース=霧島市隼人町嘉例川
温泉カフェ「湯らり〜な」併設の露天風呂=霧島市隼人町嘉例川

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