「築30年の家」に住んでいます。古い家でも「地震保険」は必要ですか? 火災保険の見直しを含めて悩んでいます

地震保険とは?

地震保険は、大地震による巨額の保険金支払いに対応できるよう政府がバックアップしている公共性の高い保険です。地震・噴火、津波によって、家が燃えたり倒壊したりといった際に損害保険金が支払われます。

地震保険のみで加入することはできず、火災保険に付帯させなくてはなりません。本項では、地震保険に加入するとどのような補償を受けられるのか、保険料はどれくらいなのかについて解説します。

地震保険の対象

地震保険は、建物と家財が保険の対象です。建物のみ、家財のみ、建物と家財のいずれかから選び、加入できます。なお、建物のみの地震保険に加入しても、建物の中の家財は補償されない点に注意しましょう。保険の対象とならないものは、以下のとおりです。

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・店舗や事務所のみに使用される建物
・設備、什器、商品、製品
・1個または1組で30万円超の貴金属や美術品
・自動車
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また、損害が一部、門・塀・垣のみの損害である、地震発生から10日を経過して生じた損害、紛失や盗難によって生じた損害も補償されません。

契約金額と支払額

地震保険の契約金額は、火災保険の契約金額30~50%の範囲内です。限度額は、建物が5000万円、家財が1000万円です。建物と家財、それぞれで契約します。

保険始期が2017年1月1日以降の地震保険の保険金支払い基準は、時価を限度に5~100%です。時価とは、保険対象と同等のものを新たに購入する際、必要な金額から経年劣化分・使用分・消耗分を差し引いたものです。古い家の場合、引かれる金額が多くなるといえます。

保険料

地震保険の保険料は、建物の構造・立地・耐震性能などの条件で変わります。また、築年数が増えるごとに保険料は高くなる傾向です。

地震保険の保険期間は1~5年です。保険期間が2年以上になると長期契約となり、保険料を一括で支払えます。長期契約になるに応じ、保険料の割引が適用されます。

築30年の古い家も地震保険は必要か

地震保険は、地震があって損害をかぶった際に経済的負担を軽減できるものです。しかし、築30年と古くなってきた家に対しても、地震保険に加入すべきか迷う人も多いでしょう。

本項では、築30年の家でも地震保険に加入したほうがよいのか解説します。また、補償の範囲についても触れているため、保険見直しの参考にしてください。

火災保険のみでは地震による損害をカバーできない

地震保険に加入していない状態でもしも地震があって家が火事になったとしても、地震が原因である場合は火災保険が適用されません。加入しておくことで、地震に対する備えとなるでしょう。

築30年の古い家は家財のみの補償も検討する

築30年の古い家の場合、家財のみを補償の対象にしてもよいでしょう。建物を補償に入れていても、地震保険の保険金支払い基準は時価であるため、被災した時点で築年数が古い家であれば受け取れる保険金額が十分でない可能性が高いです。

築年数が古いと保険料が高い傾向であるため、割に合わないと感じることもあります。地震保険の補償範囲は、コストのかかる建物の補償ははずして家財のみすることも検討しましょう。

築30年の家でも地震保険に加入しておくとよい

古い家でも、地震保険に加入しておかないと地震による損害に対応できません。建物の損害に備えたとしても、保険料のわりに補償額が少なくなる可能性が高いため、必要ないと感じる人も多いでしょう。

築年数が古い家で地震保険に加入する場合、家財のみの補償を選ぶことも検討してください。

出典

日本損害保険協会 地震保険
日本損害保険協会 地震保険の保険期間を1年以上で契約することはできますか。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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