このカブトムシ、亜種じゃなくて別種じゃないか…高校生が2年がかりで仕上げた研究、国際科学コンで文科大臣賞

第6回グローバルサイエンティストアワードで文部科学大臣賞に輝いた錦江湾高校理数科のカブトムシ班=鹿児島市平川町

 錦江湾高校(鹿児島市)の生徒によるカブトムシ分類の研究が、国際科学コンテストで高校生54組から1席の文部科学大臣賞に選ばれた。2年がかりで実験や観察を重ねた生徒たちは「頑張りが報われてうれしい」と喜んでいる。

 受賞したのは理数科2年の本田康太さんら8人の班。授業の一環で2022年から研究に取り組んだ。

 メンバーは、東アジアから東南アジアにかけて生息する八つの亜種(同種内で何らかの差異があるもの)のうち、オキナワカブトとツノボソカブトに注目。形態に大きな違いがあったためだ。「亜種という位置付けでいいのか、疑問を持った」と本田さん。

 体長や角などの長さ、羽化した日をそれぞれ比較すると、明らかな差があることが分かった。さらに、オキナワとツノボソを両親とする雑種同士を交配しても、限られた組み合わせでしか、幼虫が生まれないことも確認。そこで「オキナワとツノボソは亜種ではなく、別種とすべきではないか」と結論づけた。

 8人が受賞した科学コン「第6回グローバルサイエンティストアワード」(同実行委員会主催、千葉工業大学、池田学園共催)は昨年11月に鹿児島市であり、国内外の小学生から高校生まで計83組が研究発表した。県内の高校が1席に選ばれるのは3回目。審査員からは「課題設定が斬新で、国際的に高度な科学性を持った研究」と評価された。

 本田さんは「想定される質問への回答を十分に準備するなどして、満足のいく発表ができた」と振り返った。今後は別の亜種も対象に加えていきたいと意欲を見せている。

オスの頭角が大きく発達する個体が多いツノボソカブト(錦江湾高校提供)
オスの頭角があまり発達しないオキナワカブト(錦江湾高校提供)

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