チューリッヒ工科大学、ポール運搬用新型ドローン「Geranos」を開発

困難な地形では、アンテナやケーブルカーのマストのような構造物の建設には、しばしばヘリコプターを使用してロープで荷物を運搬する必要がある。風によって荷が揺れると位置決めの精度が損なわれるため、地上作業員による正確な手作業が必要だ。

そのため、地上作業員による正確な位置決めが必要となり、コストと負傷のリスクが増大する。このパラダイムに挑戦するため、空中輸送と組み立てを強化するために設計された特殊なマルチローター無人航空機(ドローン)であるGeranosを開発した。

Geranosは、垂直ポールの正確な位置決めにおいて卓越した能力を発揮し、荷物の運搬と精度の革新的な統合によってこれを実現した。

そのユニークなリング設計は、高いポール慣性の影響を緩和し、軽量な2つの部分からなる把持機構は、能動的な力を加えることなく確実な荷物の取り付けできる。

重力に対抗する4つの主プロペラと、横方向の精度を高める4つの補助プロペラにより、Geranosはホバリング前後の包括的な位置・姿勢制御を実現した。

ジェラノスUAVの動作原理を示す図。より明確にするため、ドローンは3つの部分(昇降機構(赤)、センタリング機構(青)、作動機構(緑))に分割されている。左側はシステム全体の写真で、中央はUAVの3つの主要部分を示す分解図だ。右上の写真は、ポールと昇降機構に使用されている折りたたみ式三角形の1つの間に働く力を示す。右中の写真は、作動設定とすべてのローターの回転方向(時計回りが緑、反時計回りが青)を示す。センタリング機構の作動原理は、この図の下部に示されている。黄色の線はバネを装備したケーブルを表し、緑、オレンジ、赤の線は非弾性ケーブルを表す。ケーブルの固定は、それぞれのケーブルの色に合わせた塗りつぶしの円で表されている。

アンテナ/ケーブルカー・マストの設置を模した実験的デモンストレーションでは、人間の手作業を必要とせず、5cm以下の驚くべき設置精度でポール(3kg、長さ2m)を積み重ねるGeranosの能力を示している。

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▶︎チューリッヒ工科大学

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