ZEROBASEONE、日本デビューシングルでセールス記録更新&首位獲得 K-POP第5世代にも重要な試金石に

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参照:https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2024-04-01/

2024年4月1日付(3月26日発表)のオリコン週間シングルランキングでは、ZEROBASEONEの日本デビューシングル『ゆらゆら -運命の花-』が初週推定売上30万枚を超え1位に輝いた。本作は3月19日付のオリコンデイリーシングルランキングでも初登場で1位を獲得した話題作。また、海外アーティストの1stシングルとしても歴代1位のセールス記録とあって、史上初の快挙ともなった(※1)。リリース直後の3月23日、24日に行われた日本初となるファンコンサート『2024 ZEROBASEONE FAN-CON IN JAPAN』では2日間計3公演で5万人を動員。すでに新人とは思えない注目度の高さを発揮している。

ZEROBASEONEは韓国の9人組ボーイズグループ。昨年、韓国の音楽専門チャンネル・Mnetで放送されたサバイバルオーディション番組『BOYS PLANET』から誕生し、韓国、中国、カナダの国籍を持つメンバーが所属する多国籍グループだ。名前には「0から始まり1へと向かう“輝く始まり”」という思いが込められており、2年6カ月とあらかじめ活動期限が定められているのもファンの熱量を上げているポイント。メンバーそれぞれのビジュアルやパフォーマンスのクオリティもさることながら、昨年7月の韓国でのデビュー以降、ミニアルバムが2作連続ダブルミリオンセラーを達成し、各種新人賞を総なめにした実績もグループに対する期待値を押し上げている。

そんな中リリースされた「ゆらゆら -運命の花-」は、日本デビューのために制作されたオリジナル楽曲で、韓国でのデビュー曲「In Bloom」のスピンオフに当たる。テンポの速いリズムとシンセサウンドによる爽やかなアレンジが春らしい1曲だ。実際に歌詞の中でも〈春風に踊る心〉〈桜色に染まる空〉といった言葉選びがなされており、この季節に合わせてリリースすることを意識したのがわかる。タイトルの「ゆらゆら」は、恋人への思いが募るあまり不安で心が揺れ動くような繊細な心情を表しており、サビのキメ部分に登場。体をくねらせるようなダンスの振り付けと耳に残るメロディは、TikTokなどになじんだ世代には間違いなく響く仕掛けに思う。

しかしそれ以上に本作から感じられるのは、メンバーそれぞれが安定した歌唱力と高い表現力の持ち主であること。グループとしての一体感を持ちながら、誰がソロを担当してもブレず、華やかさもある。9人と大所帯ゆえのエネルギッシュさやダイナミックさも、今後ますます強みになっていくだろう。学校を思わせるセットで撮影したMVでは一部で圧巻のフォーメーションダンスも披露。まだ彼らのステージを目にしていない人にもそのポテンシャルは十分伝わるはずだ。

本作にはカップリングとして、すでに本国でリリース済みの「In Bloom」と「CRUSH」の日本語バージョンも収録。原曲とはまた違った雰囲気の楽曲に仕上がっており、日本での盛り上がりをさらに後押しするに違いない。

コロナ禍を経た昨年以降にデビューしたK-POPグループは、「第5世代」と呼ばれ、特にボーイズグループの存在が目立っているように思う。そんな中でZEROBASEONEがどのように受け入れられ、また支持を拡げていくのか。『ゆらゆら -運命の花-』の大躍進は、重要な試金石となりそうだ。

※1:https://www.oricon.co.jp/news/2319969/full/
(文=渡部あきこ)

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