アレコ第3幕 借用延長/青森県立美術館、27年3月末まで3年間/11月、全4幕でバレエ公演

2027年3月末までの借用延長が決まったアレコ「第3幕」=29日午後、青森市の県立美術館

 青森市の県立美術館(県美)は29日、2024年3月末までの期限で米フィラデルフィア美術館から借り受けていたマルク・シャガールのバレエ「アレコ」舞台背景画第3幕について、借用期間が27年3月末まで3年間延長されることになったと発表した。県美では24年11月、同市出身の世界的バレエダンサー大川航矢さんの主演で「アレコ」の公演が予定されており、杉本康雄館長は「(第1、2、4幕とともに)全4幕そろったアレコホールで公演を実現できることを大変うれしく思う」と喜んだ。

 第3幕のタイトルは「ある夏の午後の麦畑」。17年4月、フィラデルフィア美術館の改修工事を機に4年間の予定で借り受け、その後も県美側の要望で21年4月~23年3月、23年4月~24年3月の計2回にわたり期間を延長した。

 県美は24年4月以降も借用期間を延長するようフィラデルフィア美術館と交渉を続けてきたが、同美術館側の「厚意」によって3年間の無償借り受けが決定。杉本館長は11月の「アレコ」公演を念頭に「光の魔術師と称されるシャガール作品に囲まれた特別な空間での舞台芸術活動を通じ、県民をはじめ多くの方々にその魅力を堪能していただきたい」とコメントした。

 県美はシャガールが描いた「アレコ」舞台背景画全4幕のうち、第1、2、4幕を所蔵しており、借用中の第3幕を加えた全4幕をアレコホールで展示。11月の公演ではアレコホールに舞台を設け、大川さんのほかプロのバレエダンサー12人が出演する。

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