マカオから中国本土への越境自家用車悪用した食材密輸事案相次ぎ摘発

越境自家用車内から発見された密輸品(写真:澳門海關)

 澳門海關(マカオ税関)では、越境自家用車を悪用した違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)への対策を強化して臨む中、3月28日に横琴イミグレーション施設で食材の密輸事案(マカオから中国本土への持ち出し)を2件相次ぎ摘発したと発表。

 3月28日未明、横琴イミグレーションの出境口にある税関検査場を通過した自家用車2台について、乗客がいないにも関わらず車体が沈んでいるのに税関職員が気づき、不正常な積載を行っている可能性があるとして目視検査を行ったところ、助手席及び後部座席部に黒い布やポリ袋で隠匿された不審物を発見。その後の詳細検査を経て、トランク内にも類似の不審物が隠されていることが明らかになったという。

 上述の自家用車2台の発見された物品は活ロブスター651尾(約497キログラム)、牛もつ(約300キログラム)。また、2台の運転者は当該車両のオーナーでも登録運転者でもなく、税関では深夜時間帯の暗がりに紛れて密輸を図った事案との見方を示した。

 2台の運転者はいずれもマカオ居民の30代の男で、対外貿易法違反で起訴したほか、当該車両の越境通行に必要な証明書の無効化手続きに着手済みとした。

越境自家用車内から発見された密輸品(写真:澳門海關)

 近年、マカオ登録の自家用車が比較的簡単な手続きで広東省に乗り入れ可能となる政策が導入されたことを受け、マカオと中国本土との間の自家用車での往来が増えており、越境自家用車を悪用して運び屋行為に従事する人物の摘発も相次いでいる。

 税関では、今後も継続して水際における各種取り締まりを強化して臨むとし、広く公衆に対して出入境における携行品の出入りに関する法令の遵守、また報酬を目当てに密輸に手を染めないよう累次の呼びかけを行ったほか、未登録者が越境自家用車を運転して通関させないようオーナーへ注意を促した。

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