県立高「共学化」アンケート、4月実施で検討…中高生、保護者対象 「なるべく幅広く」も実施学年は明言せず

共学化アンケート、教育長「来月実施で検討」

 「共学化」勧告に対する報告の参考にするため埼玉県教育委員会が県内の中学・高校生、保護者らを対象に予定しているアンケート調査について、日吉亨教育長は28日、定例会見で「4月の実施に向けて最終的な内容について検討している」と明らかにした。

 アンケートを行う学年については明言を避けた。質問内容や調査方式、期間についても検討中とし「なるべく幅広く話を伺いたいと思っている。ウェブのアンケートシステムを使うようになるとは思う」と述べるにとどめた。

 県教委ではこれまで、保護者や同窓会といった別学各校の関係者を中心に意見を聴取し、今月21日には浦和高校在校生から、在校生として初めての意見表明を受けた。いずれも報告への参考にするとしてきたが、今回のアンケートで、これから進路を選択する中学生の声が初めて明らかになる形だ。

 共学化を巡っては、別学校有志などが反対の署名活動を行う一方、市民団体「共学ネット・さいたま」(清水はるみ代表)が推進に向けた講座を開催するなど、議論が広がりを見せている。

 浦和高校同窓会(野辺博会長)と共学ネット・さいたまは同日、「別学は維持されていくべき」とする意見書と「共学化の早期実現を求める」とする要望書を、それぞれ大野元裕知事に提出した。

 大野知事は同日の会見で、意見・要望について「教育委員会で検討していただくべきものだ」とした上で「共学化の是非については、さまざまなご意見がある。特に在校生やこれから進学するであろう中学生とその保護者の意見などを踏まえることが重要だと思っている」との認識を示した。

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