春の陽気、美を堪能 現代美術展 初の週末に人出

日本画の秀作を楽しむ来場者=30日午前10時10分、金沢21世紀美術館

  ●県立美術館、金沢21世紀美術館

 金沢市の石川県立美術館と金沢21世紀美術館で開かれている第80回現代美術展(一般財団法人県美術文化協会、北國新聞社、一般財団法人県芸術文化協会など主催)は30日、初の週末を迎え、多くの来場者でにぎわった。春の陽気となり、訪れた人は心穏やかに豊かな感性や技が光る秀作群を鑑賞した。

 日本画と書の会場となっている金沢21世紀美術館には県内外の美術ファンが訪れた。

 日本画は、こいのぼりやユリ、流木などを描いた多彩な作品が並んだ。岡山大2年の川野響太郎さん(20)は「日展作家から一般の人まで幅広い人が出品し、同世代の作品もあって刺激になる」と話し、一枚一枚にじっくりと見入った。

 漢詩や和歌などを題材とした力作が並んだ書の展示室では、外国人観光客が興味深げに作品を見て回った。英・ロンドン出身のダレン・スミスさん(57)と妻のソフィーさん(52)は「書いてある言葉の意味を理解するのは難しいが、アートとしてとても美しい」と笑顔を見せた。

 洋画、彫刻、工芸、写真の会場となっている県立美術館にも多くの人が足を運んだ。

  ●15日まで

 同展では県美術文化協会の役員・会員による委嘱作402点、遺作3点、一般の部で入選した684点のほか、過去10年の美術文化大賞受賞作など1103点が展示されている。会期は4月15日まで。入場料は一般千円、高校・大学生700円、小・中学生は600円となる。

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