フットボーラーの心の病は「珍しい話ではない」、トッテナム指揮官がメンタルケアについて見解「お金や名声は守ってくれない」

アンジェ・ポステコグルー監督がメンタルヘルスの問題について見解語る[写真:Getty Images]

トッテナムのアンジェ・ポステコグルー監督が、メンタルケアの重要性について語った。イギリス『イブニング・スタンダード』が伝えている。

トッテナムでは、今月にFWリシャルリソンがメンタル面で問題を抱えていたことを告白。心理カウンセラーの助けもあって立ち直れたと明かし、カウンセリングの重要性を説いていた。

この告白は大きな話題となったが、ポステコグルーからすると関係者にとって珍しい話ではないようだ。会見の場で指揮官は、メンタルヘルスの問題は多くの選手が抱え得るものであり、真摯に向き合う必要があると語っている。

「(リシャルリソンの告白がチームに影響を与えるかという質問に)それはない。理由として、それは珍しい話ではないからだ。彼らも人間だからね。ただ、ほとんどの場合この問題は内部で解決する」

「だから、あなたたち(メディア)が仕事をするのは本当に難しいと思う。あなたたちはすべての情報を持っているわけではないからだ。そしてそれは、これからも決して変わらないだろう」

「フットボールクラブでは本当に多くの出来事がある。そしてフットボールクラブを他の業界と同じように扱うことができれば、他のどの業界でも何かに苦しんでいる人々がいると気づくだろう」

「フットボールでもそれは例外ではないが、我々は強力なカーテンを張らなければならず、すべてはその背後に隠される。リシャルリソンの告白で衝撃が広がったのは、選手や監督がこれまで公の場であまりカミングアウトしてこなかったからだろう」

「フットボーラーが抱える問題は、社会の一部であってそれ以上でもそれ以下でもない。そして口座に入っているお金や得ている名声は、そうした問題から守ってくれるわけではないのだ」

「具体的なことについて話すのは気が進まないが、もし誰かが問題を抱えて私のところに来たのであれば、私はまず彼らを助けたいと思う。だが、私は年を重ね賢明であろうと思うが、人生のすべてを把握しているわけではない。私とて、自分が向き合うべき悪魔がいて、その時々で対処しなければならないのだ」

「だから、自分が経験したことのある分野でない限り、アドバイスするのは気が進まない。私にできるのは、悩みを抱えた人を本当に助けられる人物を紹介することだ。私がアドバイスをするとしたら、その人が何を必要としているか、バランスの取れた視点を心掛けるようにしている」

「フットボールの観点から言えば、私が彼(リシャルリソン)にしたアドバイスは、体の状態を正しくするようにという点だった。当時、彼は自分の体の状態に苦しんでいると知っていたからね。無理をしていることがあったら、一つずつ片づけていけば良いんだ。一度に全部をやろうとするより、その方が助けになる」

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