中国のアフリカ支援事業「万村通」、辺地で世界の情報得る窓を開く

中国のアフリカ支援事業「万村通」、辺地で世界の情報得る窓を開く

コートジボワール・ヤオウ村の農家の屋根に設置された衛星放送受信機。(1月14日、小型無人機から、アビジャン=新華社記者/韓旭)

 【新華社ナイロビ3月30日】中国のアフリカ支援事業の一つ、1万の村に衛星テレビ放送を提供する「万村通」プロジェクトは2023年12月時点で、アフリカ20カ国での建設を順調に終え、9512カ村をカバーし、19万世帯余りに直接的な恩恵をもたらした。

 プロジェクトは、中国とアフリカの包括的戦略パートナーシップの構築に向けた「十大協力計画」の一つで、15年12月の中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)ヨハネスブルグサミットで提起された。

 20年12月11日、モザンビークのニュシ大統領は万村通プロジェクトの引渡式で、同国の都市と農村、同国と世界のデジタル面や情報面の格差縮小に役立ち、住民の生活改善、公共教育・社会発展を促進する意義が大きいと評価した。

 プロジェクトを請け負う中国メディア企業の四達時代集団(スタータイムズ)は、支援対象となるすべての村に、太陽光発電を利用する投影型テレビシステム2セットとデジタルテレビシステム1セットをそれぞれ寄贈してきた。これらの機器は村民が外部世界の情報を得る重要な手段となっている。

中国のアフリカ支援事業「万村通」、辺地で世界の情報得る窓を開く

ブルンジのブジュンブラ近郊ムチンブジの村落で、衛星放送番組を見る子どもたち。(2022年10月31日撮影、ムチンブジ=新華社記者/董江輝)

 支援を受けた村民のアウグスティヌスさんは「テレビから、近代農業や政府プロジェクト、感染症予防などの情報を入手できる。スポーツ観戦が好きで、鮮明な画像のおかげで試合をより楽しめるようになった」と話す。

 スタータイムズの馬紹勇(ば・しょうゆう)広報官によると、アフリカではテレビ普及率の低い地域が多い。同社の進出前、デジタルテレビの視聴には高額な初期設置費用(200ドル強、1ドル=約151円)と月間利用料(50~100ドル)が必要だった。だが、同社のセットトップボックス(STB)の初期設置費用は約10ドルと低額で、ユーザーは月額利用料3~5ドルを払うだけで、ニュースやスポーツ、映画など約30のデジタルテレビチャンネルを視聴できる。「デジタルテレビは、もはや高所得層だけのぜいたく品ではなく、多くの一般家庭にも普及しつつある」と語る。

 スタータイムズは万村通プロジェクトとテレビサービスの持続可能な運営を確保するため、支援対象の村で設置後のメンテナンス作業を行うテレビ技術者も育成している。

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