散歩を知らずに育ったミニチュアダックスフント ハーネスや首輪の装着慣れからトレーニング どんどん上手に歩けるように

ご縁を待つミニチュアダックスフントのロビンくん

保護犬といっても、背景はさまざまです。大まかに、元野犬、元飼い犬のカテゴリーがありますが、元飼い犬の場合、それまでに育ってきた環境が1匹ごとにまるで違います。かつての飼い主に満足な散歩にも連れていってもらえていなかった保護犬もおり、子犬から散歩トレーニングを覚えさせるよりも、かえって難しいことも多くあります。

とある事情から、飼い主から離れひとりぼっちになったところを保護されたミニチュアダックスフントのロビンくんもそんな散歩トレーニング中のワンコ。推定2歳のワンコですが、ミニチュアダックスフント特有の短い足で懸命に今日も散歩トレーニングをしています。

「またやるんですか」という表情を浮かべていた

ロビンくんの世話をしているのは、愛知県を拠点に行き場を失ったワンコの保護・譲渡活動を行うSORA小さな命を救う会(以下、SORA)。

スタッフによると、満足な散歩をされてこなかったことは、そのワンコに接するとすぐにわかるそうです。散歩に必要なハーネスや首輪などを嫌がり、なんとかして外へ出そうとすれば、恐怖から暴れたり、急に逃げようとしたり、ガチガチに固まってしまうことが多いからです。

ハーネスを見て一瞬固まることもありました

SORAに提携する預かりボランティアさんの家に招き入れられたロビンくんも当初はハーネスや首輪を嫌がり、馴れるまではそれらを見るだけで「また、これ付けられるんですか…。僕イヤなんですけど」と言わんばかりに顔をそむけていました。

しかし、預かりボランティアさんの熱心なサポート、そしてロビンくんの穏やかで順応性のある性格から、やがてハーネスや首輪を嫌がらずに付けてくれるようになりました。

家の中から始めた散歩トレーニングも、当初こそ「これ、なんか意味あるんですかね」と不思議そうな表情を浮かべていたロビンくんでしたが、やがて「なんか楽しいぞ」と思ってくれるように。トレーニング自体を楽しんでいるかのような表情を見せてくれるようになりました。

外での散歩はまだまだ不馴れ

ただし、外での散歩となると、まだまだです。預かりボランティアさんの表情をうかがいつつ、なかなか前へ歩いてくれなかったり、逆に道端で興味があるものを見つけて、リードを引っ張ってしまったり。

預かりボランティアさんは「大丈夫。がんばって少しずつ散歩に馴れていこうね」とロビンくんに優しく声かけながら、今日も散歩トレーニングを続けています。

足取りはかわいくも映るが…

はたから見ると、短い足でちょこちょこと不器用ながらも歩くロビンくんの様子はかわいく映りますが、SORAによれば「今後、里親さんとのマッチングが果たせたとしても、引き続き散歩トレーニングは必要になるだろう」と言います。そのため、ロビンくんの不器用な面に時間をかけてじっくり付き合ってくれる里親さんが望ましいとも言います。

新しい環境でロビンくんが散歩をする際、どんな行動を取るかもわからないため、「迷子札は首輪に刻印式のIDカラーで装着すること」「ダブルフック型ショルダーリードを使用すること」も里親さんへの条件です。

その小さな足取りにじっくり付き合ってくれる里親さんとの出会いを待っています

生まれて間もない子犬なら、過去の経験やクセがまだ確立されていないため、散歩に馴れてくれるワンコが多いものです。しかし、成犬となった後の不慣れな散歩トレーニングとなれば、時間がかかってしまうこともあります。こういった点も踏まえ、じっくりとトレーニングやお世話をしながら、ロビンくんの第二の犬生を一緒に歩んでくれる里親さんとの出会いを願うばかりです。

__一般社団法人SORA小さな命を救う会
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(まいどなニュース特約・松田 義人)

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