マイアミOP前年覇者のメドベージェフが準決勝で完敗。好調シナーを「サービスが大きく進化した」と称賛<SMASH>

現在開催中の男子テニスツアー「マイアミ・オープン」(3月20日~31日/アメリカ・マイアミ/ハードコート/ATA1000)は現地29日に準決勝を実施。第3シードのダニール・メドベージェフ(ロシア/世界ランク4位)は、第2シードのヤニック・シナー(イタリア/同3位)に1-6、2-6のストレートで敗れ、決勝進出を逃した。

昨年大会で優勝を飾り、ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ28歳のメドベージェフ。今大会は初戦から安定感のあるプレーで1セットも落とさずに勝ち上がり、準決勝へ進出していた。

迎えた準決勝では、今年1月の「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン)で悲願の四大大会初優勝を飾り、先月の「ABNアムロ・オープン」(オランダ・ロッテルダム/ATP500)でもタイトルを獲得したシナーと対戦。両者は全豪の決勝で顔を合わせており、メドベージェフが先に2セットアップとしたが、フルセットの激戦の末に敗退している。

この日の準決勝も全豪時と同様に拮抗する試合が予想されたが、試合はシナーの一方的な展開となる。第1セット、粘り強いストロークで対抗するメドベージェフだが、シナーのパワフルなショットに押され1-6で先取される。続く第2セットでは、シナーに第1、5ゲームでブレークを許してしまい2-6で敗退。1時間9分で力尽きた。

「全豪オープンの時と同じように、普段よりもアグレッシブにプレーすること」という作戦で臨んだメドベージェフ。しかし、「ミスが多く、精度が足りなかった。もっと良くしたかったけど、それができなかった」と試合内容を振り返った。
また、シナーの進歩した点について問われたメドベージェフは、簡潔に勝者を称え、次のように語る。

「彼はミスが少なくなり、ショットをより賢く選択するようになった。特にサービスは大きく進化したと思う。元々良いサービスを持っている選手だったけど、今はさらに強くなっているね」

昨年5月「イタリア国際」(イタリア・ローマ/クレーコート/ATP1000)以来約11カ月ツアー優勝から遠ざかっているメドベージェフは、ツアーで上位進出を果たしているものの、あと1歩及ばず少々苦戦気味だ。

「大会ごとに見れば、僕は上位選手に負けていると思う。何度か決勝に進出して、シナーや、(ノバク・)ジョコビッチ、(カルロス・)アルカラスに負けている。もちろん彼らに勝ちたいし、彼らよりも良い結果を出したい。でも、それがまだできていないから、精神面でもプレー面でも改善しなければならない」

4月上旬から幕を明けるクレーコートシーズンについては、モンテカルロ(モナコ)、マドリード(スペイン)、ローマ(イタリア)のATP1000大会、そして四大大会の全仏オープン(フランス)に出場するという。「これらの大会でタイトルを獲るのは難しいかもしれないけど、きっとできると思う。僕は世界最高の大会で戦いたいんだ」とタイトル獲得に意欲を示す。

構成●スマッシュ編集部

© 日本スポーツ企画出版社