「他の劇場」勧められた車いす女性、イオンシネマ側の改善姿勢に感謝 直接会談を報告

「車いすインフルエンサー」の女性が29日、自身のSNSに文書を掲載し、映画館チェーン「イオンシネマ」とのやりとりの詳細を伝えた。

女性は3月15日にイオンシネマ「シアタス調布」の「グランシアター」にある、大きなソファのような「プレミアムシート」で映画を鑑賞。上映終了後に「支配人みたいな人」から、手伝うことができるスタッフも時間的な制限があると伝えられ、他の劇場(スクリーン)での鑑賞を勧められたと自身のX(旧ツイッター)で明かしていた。

「イオンシネマ」は同16日に公式Xに【弊社従業員による不適切な対応に関するお詫び】と題した文書を掲載。従業員が「不適切な対応」をしたとし「ご不快の念をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。」と謝罪した。

女性の暴露から、車いすでの映画観賞が大きな話題となった中で、29日にあらためて状況を整理した形だ。

女性は、当日鑑賞した「52ヘルツのクジラたち」はグランシアターでしか上映していなかったこと、グランシアターでの鑑賞は4回目だったこと、過去の3回は劇場のスタッフがサポートしてくれたことなどを説明。15日の鑑賞後に「他の劇場で」と伝えられ、「突然今後は見られなくなった理由をはっきり言ってもらえなかった」ことに納得できなかったとした。ここでの「他の劇場」は「同じ映画館の他のスクリーン」という意味だということもあらためて説明。「どうすればグランシアターでの鑑賞が可能になるか、何か方法はないのか、イオンシネマの方々とお互いにきちんと話し合える場ができれば良いなという気持ちで投稿をしました。」と投稿した真意を伝えた。

3月15日の投稿ではイオンシネマのスタッフは「この劇場はご覧の通り段差があって危なくて、お手伝いできるスタッフもそこまで時間があるわけではないので」と理由を説明したと伝えている。女性が過去に同じ「グランシアター」で鑑賞したことがあると伝えると、スタッフは他の係員に確認した上で「そう言った経験はない」と説明し、謝罪したという。女性は「なんかすごく悔しくて悲しくてトイレで泣いた。」とつづっており、投稿の最後は「悲しさを通り越して今は行き場のない怒りに変わってきた。その時に言い返せなかった自分にも腹が立つ。イオンシネマの社長と話し合いたい。」と憤慨していた。

29日の投稿では、23日に「シアタス調布」支配人、イオンシネマ営業本部長、イオンシネマ東京大井エリア営業マネージャーと直接話し合ったことを明かした。「サポートしてくれる友人と一緒にグランシアターで鑑賞する、もしくは車椅子席のあるスクリーンで鑑賞するという方向で、これからも『イオンシネマ シアタス調布』に通わせていただきたいとお伝えしました」と報告。イオンシネマ側が今後、改善に努めることを約束したと伝え、対応に感謝した。

(よろず~ニュース編集部)

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