【1日3分間のメンタル強化法 第7回】後悔のないテニスライフを送るために!「やり切った感」を経験するための7つの質問<SMASH>

テニス競技はメンタルによって大きく結果が左右されるスポーツです。しかし、メンタルを強化したいけれど「なんか大変そうだ」と敬遠している人はいないでしょうか。

本シリーズでは一般プレーヤーに向けて、伊達公子氏や浅越しのぶ氏といった日本テニス界をけん引したトップ選手の指導経験を持つメンタルアドバイザー椙棟紀男氏に、簡単に身に付くメンタルの強化方法を伝授してもらいます。

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前回(第6回)の鬼コーチの存在で紹介した「自分の中の鬼コーチ」をさらに発展的に考えてみたいと思います。

人間とはすごい能力を持っており、過去に起こった出来事を思い出して反省することもできるし、未来のこともある程度は予測することができます。私は講習で「虫の眼を持て、鳥の眼を持て、天の眼を持て」とよく話します。

虫の眼とは、自分の立場や身近で起こっていることを十分理解しなさいということです。また、鳥の眼とは、鳥瞰(ちょうかん)という言葉があるように高い所から広い範囲を見つめ、自分の進む方向をある程度予測しなさいということです。

そして、天の眼とは、未来の区切りのいいところまで先に行って、その地点から現在の自分を見つめてみる作業のこと。卒業する時や仕事を終える時、究極は死ぬ時と考えてください。
人生は後悔の連続だとよく言われますが、願わくば「やり切った感」を一度は経験しておきたいものです。そこでテニスプレーヤーであるあなたに、7つの質問をしてみたいと思います。「3つの眼」を持っていれば答えられる質問です。

①あなたの現在地は(実力も含め)どのあたりにありますか?

②今までの最高の試合について聞かせてください。

➂今後どんなプレーヤーを目指していますか?

④そのために何をすればいいと考えていますか?

⑤やり残したことがあればいくつか挙げてください。

⑥あなたが考える「やり切った感」を話してください。

⑦テニスを辞める日が来たと仮定して、後輩たちにどんなカタチで何を伝えたいですか?

答えが出ましたか? それでは今から、あなたの答えを実行に移してください。そうすれば、区切りの日に、後悔することなく「やり切った感」を感じられるでしょう。

◆解説=椙棟紀男
㈱トレビック代表取締役。アスリートをサポートする、メンタルアドバイザー。様々なスポーツ選手を見ており、テニスでは伊達公子や浅越しのぶを指導した経験を持つ。

構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2020年9月号から抜粋・再編集

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