「寂しい」ヨーカドー閉店惜しむ声、ボードにびっしり 青森県五所川原市の店舗が31日、26年の歴史に幕

イトーヨーカドー五所川原店の店内には、従業員が折った鳥で描いたハトのロゴマークが掲示されている
31日で営業を終了するイトーヨーカドー五所川原店=30日(写真は一部加工しています)

 青森県五所川原市のショッピングセンター「ELM(エルム)」内のイトーヨーカドー五所川原店が31日、約26年間の歴史に幕を下ろす。同市では、昭和から平成期にかけて百貨店「イトーヨーカドーマルキ飛島」が市中心部で営業し、イトーヨーカ堂との関わりは約40年になる。市民からは「寂しい」「ありがとう」と閉店を惜しむ声が聞かれた。

 イトーヨーカドー五所川原店には「約26年間、ありがとうございました」とのメッセージとともに、従業員が折った鳥で描いた縦横1メートルほどのハトのロゴマークが掲示されている。近くのボードには「マルキ時代からお世話になりました」「大好きイトーヨーカドー」「青春をありがとう」「26年間おつかれさま」といった買い物客の自筆メッセージカードがびっしりと並んでいる。

 27日に買い物をしていた同市の主婦中山登志子さん(54)は「(ヨーカドー五所川原店が)なくなるのはショック。衣料品を販売していた頃もよく買い物に来ていた。子どもの頃は弘前市のヨーカドーへよく親に連れていってもらった思い出もある」と名残惜しそうに話した。同市の佐々木和子さん(80)は「なくなるのはとっても寂しい。百貨店だったマルキ飛島とは雰囲気が違い、エルムのヨーカドーは内装などがとても新鮮で外国みたいだと思った。ここに来るのが楽しみだった」と振り返った。

 五所川原店は、エルムが開店した1997年当初からキーテナントとして営業を続けてきた。エルムを運営する五所川原街づくり会社社長で、開店当時は同社副社長だった山崎淳一さんは「エルムにとって、立ち上がりの時期が重要で大変だった。その時、キーテナントとして多大な貢献をしていただいた。感謝している」と語った。

 イトーヨーカドー五所川原店は営業最終日の31日、混雑が予想されるとして、閉店セレモニーや取材対応は行わないとしている。イトーヨーカ堂の広報担当者は「イトーヨーカドー五所川原店をご愛顧いただいたお客さまに深く感謝申し上げる」とコメントした。

 五所川原店の後には、OIC(オイシー)グループ(川崎市)の食品スーパー「ロピア」が入る見通しとなっている。

 イトーヨーカ堂は7月ごろに青森店(青森市)、8月ごろに八戸沼館店(八戸市)、9月ごろに弘前店(弘前市)を閉店させる予定。1976年から青森県に進出していたヨーカドーは全て姿を消す。

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