【町田】U-23代表帰りの平河悠が3アシスト!! ゴール前の冷静な判断は「黒田監督に常々言われているので...」

FC町田ゼルビアは3月30日、J1第5節でサガン鳥栖とホームで対戦。3-1で勝利した。

この試合で、とりわけ存在感を放ったのがU-23日本代表から戻ったばかりの平河悠だ。5分、林幸多郎のロングスローのこぼれ球をダイレクトシュート。相手GKの手前で藤本一輝がコースを変えてゴールに流し込んだ。

さらに54分、平河が敵陣でボールを奪い、右サイドをノーマークで切り込む。相手GKの朴一圭を引きつけてから横パスを選択し、中にいたオ・セフンが仕上げる。

3分後、平河がまたもゴールを生む。右サイドでボールを受けた背番号7は、右足で正確無比なアーリークロスを供給。これを再びオ・セフンが合わせて、試合を決めるダメ押し弾をマークした。

3アシストと出色のパフォーマンスを披露した平河が試合後、自身が関わった得点シーンを振り返った。

「1点目は、シュートを打ったつもりがミスになってしまった形です。2点目は、相手のパスがズレたのが見えて、すぐにプレスに行くと相手に剥がされると思ったので、パスを出す寸前を狙って足を出したらボールを奪えました。2点目、3点目はセフンが点を取りましたが、キャンプで一番点を取っていたのは彼ですし、フォワードが点を取るとチームも勢いづくので、良かったです」

【PHOTO】J1初勝利を挙げたFC町田ゼルビアのサポーター
特に印象的だったのは2点目のシーンだ。猛烈なプレスによるボール奪取と、シュートを狙える場面でも、確実性を重視してパスを選択できる冷静さには、平河の好調ぶりが詰まっているように感じた。

一連のプレーの背景には、チームとしての約束事があるのだと平河が明かした。

「黒田(剛)監督に常々『できるだけ、確率の高い選手を選択しろ。もしシュートを打つならコースを狙え』と言われているので、2点目のパスを出したシーンはセフンに出すのが確実だと判断しました。本来、自分はシュートを打ちたい選手ですし、もう一度、あの状況が来たら打つかもしれませんが」

今節に見せた出来を維持できれば、U-23アジアカップ(パリ五輪アジア最終予選を兼ねる)に臨むU-23日本代表へのメンバー入りも固いだろう。その先のパリ五輪出場を果たすためにも、インパクトを残し続けたい。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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